仕事を終えて夜中いそいで帰る。
たのしいことが待っている。
家に着いて、まっすぐバスルームへ。
台所に用意されている食事に、明日食べるね、と詫びて。
洋服は全部洗濯籠へ。
髪やカラダに残る煙草のにおいを綺麗に洗い流す。
髪を乾かす時間がもどかしい。
ぼくに気づいて眠そうな顔で擦り寄ってきた愛犬に簡単に挨拶を済ませ。
そーーっと。
カノジョが丸くなって眠っている横に滑り込む。
寝惚けたままくっついてくるカノジョに、触れる。
いつも恥ずかしがって赦してくれないすみずみを。
いつも聴かせてはくれない甘い声も堪能する。
夜中だけ。
ぼくだけの愉しい時間。
何度もカノジョがちいさく震えるようにぼくにしがみついて。
気づかなかったカノジョの全部。
気づいたのは、ほんのすこしまえ。
いつも泣きそうな顔で我慢しているように見えていたのに。
ぼくの悪戯ごころが、カノジョの本音をさらけ出した。
きっとぼくしかしらない。
カノジョは憶えていないらしい。
明るくなるたび驚いて飛び起きる。
寝たふりをしてぼくは笑い出すのを必死でこらえる。
お昼近くなにも無かったような顔で、ぼくが起きて。
いっしょに食べるご飯。
目を合わせたがらないカノジョ。
きっとカラダに昨夜の余韻が残ってる。
とうとう我慢できなくてにやにやしはじめるぼくに。
真っ赤になりながら逃げ出すカノジョ。
ぼくしかしらない。
にんまり・・・。
追いかけて行っちゃおうかなぁ・・・。
今日は休日。
なんだか、しあわせな毎日。