カノジョに、呼び出された。
理由なんかわかってる。
いそがしすぎる僕に愛想を尽かしたんだ。
ほんの数時間でも、いっしょに居たいって言ってくれたのに。
待ち合わせの場所に僕が着いたのは、約束の三時間後。
なんどもなんども。
シゴトだなんて。
信じてくれていないかも。
いつも分厚い文庫本を持ち歩くようになったカノジョ。
鳴り続ける携帯。
いいよ、って言いながら、こっそりため息を吐くんだ。
急に、呼び出し。
来なかったら、知らないよ
ああ、とうとうか・・・。
あのね
むりしなくていいんだ
もう、わたしに興味が無いんだよね
なにもことばに出来なかった。
ただ、急に目の前がぼやけた。
雪が降り始めて、もう、なにも言える筈が無くって。
早く、カノジョが僕に最後のことばをくれるのを、待っていた。
そっか
じゃ、結婚しよう
はーーーーーーーーーーーーーーー！！！？
とりあえず寝てるときだけでも
わたしが独占さ
これ、出して来てもいい？
こんいんとどけ・・・・・。
ほっぺ凍るよ
やさしいてのひら。
抱きしめられて。
キスされて・・・。
えーーーーっと・・・・。
これは・・・。
ふつう・・・・。
立場が逆なんじゃ・・・・・・・・。
後に訊いた衝撃の事実。
別れるか、契約するか、どっちがいいか迷ってた
あの泣き顔で、もう決定打さ
こいつを泣かせていいのはわたしだけだーーーーと
萌え萌えに
涙もろい自分に感謝。
喧嘩のたびに、僕が涙ぐむと仲直り。
っていうか・・・。
泣かせるための作戦なのか。
敵わないなぁ、と思いつつ、にんまり顔のカノジョに甘えてたりして。