ステロイド外用剤で皮膚が黒くなるっていうのはウソ | 皮膚科系薬剤師が教える保湿剤の上手な使い方・選び方

皮膚科系薬剤師が教える保湿剤の上手な使い方・選び方

薬剤師になって10年。皮膚科の近くの薬局に勤めていますが患者さんとお話していてなかなか保湿剤について知識が足りないなと思うことが多いです。私も勉強の途中ですが今ある知識の中からみなさまのお役にたてればなと思います。

患者さんからよくいわれるのは


『ステロイドって皮膚が黒くなるって聞いたけど』っていうこと。


これってどこから聞いたのかはわかりませんが


本当に多いショック!


皮膚が黒くなるっていうのは


色素沈着のことをいっていると思いますが


この色素沈着はステロイド外用剤によって起こるのではありません。


ではなぜステロイド外用剤を塗った場所に色素沈着が出るのでしょう?


それはなぜかというと


ステロイド外用剤を使用する前の皮膚は真っ赤になり、


強い炎症が起こっています。


この状態で すでにメラニンが表皮から真皮に落ちているわけですが


皮膚の表面が真っ赤なので見えてません。


ステロイド外用剤の使用により発赤がとれると


色素沈着が急にでてきたように見えてしまうのです。


つまり


色素沈着はステロイド外用剤自身によって起こるのではなく、


皮膚炎が持続することによって起こる炎症後色素沈着なのです。


特に紫外線があたる部分は炎症後色素沈着が強く出てしまいます。


炎症を初期段階でしっかり抑えるためにも塗布回数や塗布量は


とても重要です。


誤った知識や情報で適正使用ができないと


逆に炎症が長く続き、色素沈着も起こりやすくなると考えられます。


もちろんステロイドで色素沈着するわけではありませんが


炎症部位に紫外線が当たると炎症後色素沈着は増強してしまうので


塗布部位には紫外線が当たらない方がいいとはいえます。


特に急性疾患にはしっかり使い、


炎症部位になるべく紫外線を当てない。


紫外線に当てないのはステロイド外用剤で皮膚が黒くなるからではない


正しい知識を持ちましょう。





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