構造からみたステロイド外用剤の強弱(初級) | 皮膚科系薬剤師が教える保湿剤の上手な使い方・選び方

皮膚科系薬剤師が教える保湿剤の上手な使い方・選び方

薬剤師になって10年。皮膚科の近くの薬局に勤めていますが患者さんとお話していてなかなか保湿剤について知識が足りないなと思うことが多いです。私も勉強の途中ですが今ある知識の中からみなさまのお役にたてればなと思います。

今回はステロイド外用剤でよくある勘違いや


よく質問されることについて書こうと思います。


これは医療用でもOTCでもいえることですが


ステロイドの有効成分名には似通った名前がたくさんあります。


例えば


リンデロン-V と リンデロン-DP ですが


こちらのリンデロンは商品名で


成分名は


リンデロン-V ⇒ ベタメタゾン吉草酸エステル


リンデロン-DP ⇒ ベタメタゾンジプロピオン酸エステル


ステロイド外用剤を使うなら~こんなお医者さんを選ぼう!!


で書きましたが


リンデロン-V が ストロングクラスで


リンデロン-DP が ベリーストロングクラス で


リンデロン-Vのほうがリンデロン-DPよりも弱い薬です。


下の図を見ていただくとわかりやすいと思いますが


赤線で囲った部分(官能基)によって


ステロイドの強さが変化します。


有効成分の濃度が違うので単純比較はできないですが


同骨格を持つ場合、官能基の炭素鎖が長いほうが強くなります。


ただ前例の場合、置換が2つ起こっているいるので


吉草酸エステルよりジプロピオン酸エステルのほうが強くなります。

※ちなみに右図のプロピオン酸のとは2つという意味です。




こちらだけではなく


プレドニゾロン と プレドニゾロン吉草酸酢酸エステル


などでも付いている官能基で強さが異なります。


一般の方にはちょっと難しい話になってしまいましたが


ドラッグストアで購入できるOTCにもステロイドが含まれる薬が多々ありますが


付いている官能基により強さも異なるりますので


有効成分の一部分のみを見てステロイドの強さを判断しない ことが重要です。