ステロイド外用剤を使うなら~こんなお医者さんを選ぼう!! | 皮膚科系薬剤師が教える保湿剤の上手な使い方・選び方

皮膚科系薬剤師が教える保湿剤の上手な使い方・選び方

薬剤師になって10年。皮膚科の近くの薬局に勤めていますが患者さんとお話していてなかなか保湿剤について知識が足りないなと思うことが多いです。私も勉強の途中ですが今ある知識の中からみなさまのお役にたてればなと思います。

ステロイド外用剤にはランク(強さ)があります。


論文などは英語などでかかれるため


とりあえず英語でランクを書きますが


必ずしも英語の直訳が日本語のイメージに


合っているかというと疑問ですが


とりあえず今回はそのままで書きます。



ステロイド外用剤は薬効から


ストロンゲスト

ベリーストロング

ストロング

ミディアム(マイルド)

ウィーク


の5つのランクに分けることができます。


【ストロンゲスト】

デルモベート(クロベタゾールプロピオン酸エステル)

ジフラール、ダイアコート(ジフロラゾン酢酸エステル)


【ベリーストロング】

フルメタ(フランカルボン酸モメタゾン)

アンテベート(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル)

トプシム(フルオシノニド)

リンデロンーDP(ベタメタゾンジプロピオン酸エステル)

マイザー(ジフルプレドナート)

ビスダーム(アムシノニド)

テクスメテン、ネリゾナ(ジフルコルトロン吉草酸エステル)

パンデル(酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン)


【ストロング】

エクラー(デプロドンプロピオン酸エステル)

メサデルム(デキサメタゾンプロピオン酸エステル)

ボアラ、ザルックス(デキサメタゾン吉草酸エステル)

アドコルチン(ハルシノニド)

リンデロンーV、ベトネベート(ベタメタゾン吉草酸エステル)

プロパデルム(ベクロメタゾンプロピオン酸エステル )

フルコート(フルオシノロンアセトニド)


【ミディアム(マイルド)】

リドメックスコーワ(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル)

レダコート、ケナコルトーA(トリアムシノロンアセトニド)

テストーゲン(フルメタゾンピバル酸エステル)

アルメタ(アルクロメタゾンプロピオン酸エステル)

キンダベート(クロベタゾン酪酸エステル)

ロコイド(ヒドロコルチゾン酪酸エステル)

デキサメサゾン(デキサメタゾン)


【ウィーク】

プレドニゾロン(プレドニゾロン)


クラス分けをしていますが同ランク薬剤の場合、

上に書いているほうが強いというわけではありません



厳密にいえば軟膏とクリームでわずかですが


臨床的に薬効が異なるものがあります。


有効成分が同じでも基剤が違えば


薬物放出性が違うため効果に差が出るのは


当たり前なのかもしれません。


ただそこら辺まで考えて処方しているお医者さんが


いるのかはわかりません。



ステロイド外用剤にも適応症もありますが


ガイドラインとこの位の炎症であればこの薬というように


経験則的に処方される皮膚科医が多いと思います。


そういった意味でも皮膚の状態をみたうえで


状態にあったランクの薬を選択してくれる先生選ぶ必要があります。


状態を診ることなく、いつも同じ薬でという医者であれば


そういった医師の下でのステロイド外用剤での薬物治療は


避けたほうがいいのかもしれません。


如何にテーパリングが上手いか、テーパリングについての方法等について


説明があるかも重要だと私は考えています。


またステロイド外用剤は期待しただけの安定した薬効を発揮することが


大事だと考えます。


ジェネリックに関して言えば基剤が先発品と違うため


薬物放出性が異なる場合があります。


したがってメーカーによって臨床効果が得にくいことも考えられますので


一般名処方や変更調剤の際には注意が必要です。



なので一般名処方で


「どこのメーカーのものでもいいですよ」という処方は


個人的にはあまり好きではありません。


もしジェネリックを使うのであれば


メーカーを指定してその製剤の臨床効果を蓄積している


お医者さんのほうが信用できるのかなと思います。