主人は母の決断を受け入れなかった。
「無知は罪だ」が口癖の主人。
なんでそんな簡単に諦めるんだ!
医者の言うことが全てじゃないだろう!
一緒に話を聞いた弟くんはそこで何もしなかったのか?
と憤った。
実母でもない私の母のことを、そこまで真剣に思ってくれる主人の気持ちが嬉しかった。
すぐに製薬会社に勤める友人や、看護師長をしていた主人の姉など、医療に詳しい知人に連絡を取り始めた。
製薬会社の友人から聞いた話は、ここでは書かないことにする。
看護師長だった主人の姉は「やっぱりそうか」と。
胆管炎と聞くと、肝臓がんがかなり進行している状態の可能性が高く、1週間の入院で退院できたことは奇跡だと思っていたそうだ。
主人の古くからの知人でかなり進行した癌から克服した方がいるので、その方にも話を聞いてもらった。治療は語り尽くせぬほど壮絶なものだったこと、母の状態ならば意志を尊重することも大切だ、と丁寧に優しく教えてくれた。
調べていくうちに標準治療以外でいろいろな治療法があることがわかった。
助かるかもしれない。
暗闇の中に光が見えた。