昨日キャノンの5Dの後継機種5D-MARK IIが発表されました。
おおむねスペックは予想通りでしたが、AFポイントが5Dと同じ9点なのにはがっかり。APS-C機に比べ、9点が中央に寄っているので、ぼくの好きな花のマクロ撮影では使いにくいのです(もっとも、花写真ではマニュアルフォーカスも多用しますが)。
しかもニコンのD700のそれに比べても中央への寄り具合は大なので(某サイトで両機のファインダーを重ねあわせた画像で確認)、せっかくファインダー倍率が上がってもこれではなあという感じです。
それにしてもプロ機である1Dsと同じ画素数を積んでくるとは・・・。
それでいてカメラ部の昨日はまだD700に少し劣ります。その分、価格設定は非常に安くなっており、憎らしいくらい商売上手いなあと感心します。正直、ある種の計算とこざかしさが感じられるので、ネガティブな意味での'感心'です。
実は5Dは正当派後継機種と廉価版の二つに分かれるのではないかと、昨年からずっと囁かれてきました。
だけど、この価格設定、盛り込まれた機能を見ると1Dsよりかなり差別化がなされており、ひょっとしたらこれ1機種だけでフルサイズのニューーモデルは終わってしまうのかなと思い始めました。
海外のサイトで読んだのですが、キャノンの技術者いわく、すごいセンサー技術を開発したのだけど、セールスサイドの画素数競争優先のコンセプトに合わせざるを得なくなり、その技術を発揮するには至らなかったという不満を述べたコメントがありました。
恐らくその技術は主として高感度領域での画期的な優位性を確立するものであったと睨んでいるのですが、天体写真を初めて以来、なにはなくとも高感度でのノイズレスを最優先するぼくとしては、やはり画素数を抑え、その分から生まれる余裕を階調の豊かさと高感度での強さに振ったモデルを開発して欲しいなと思います。
ところで、画質面から言えばRAWでの処理を現行の14ビットから冷却CCDカメラ並みの16ビットにすること、及び8ビットでしかないJPEGを新しい規格に一新することが必要でしょう。
また、現在の色空間はウインドウズの規格のそれに準拠しており、それはadobe rgbよりやや範囲が狭いことはよく知られていますが、そこにも手を付けないとデジタルデバイスを用いたさらなる向上は望めません。
既にマイクロソフトが新しい色空間の規格を提案しており、やがてそれが適用されていくのではないかと言われていますが、業界の動きが遅すぎます。
ああ、モニターをadobe rgb準拠のそれに買い換えたいよ~。