クアプラザピリカ 2003 祝!営業継続 | 全日本スキー場パンフレット原色図鑑

全日本スキー場パンフレット原色図鑑

                                   日本全国のスキー場パンフレットを紹介します


様式:観音折り
寸法:210mm×297mm
印刷:4色

 檜山支庁唯一のリフトがあるスキー場。
 ここで取り上げるパンフレットは「クアプラザピリカ」という温泉施設を核としたリゾートエリアののパンフで、スキー場単独のパンフではない。ただ、スキー場だけのパンフがなかったので、代わりにこれを紹介する次第。

 まずは裏面。全面でアクセスが紹介されている。
 縮尺がしっかりした地図が載っているのはよい。紙面が広いことを活かした内容である。
 ロゴも含め、全体的に緑の濃淡で色彩がまとまっているのも見やすくていい。



 開いた面は、施設周辺の観光スポットがイラストで描かれていている。



 イラストもそうだが、周辺に配置されているそれぞれの写真も手間がかかっている。

 さらに開いた面はこんな感じ。



 一番左の面は、遺跡の紹介。一番右は、特産品の紹介。
 そして、真ん中は、四季ごとのアクティビティの紹介という構成。
 写真が面積の多くを占めるので、当然ながら中間色調になっている。
 それに合わせて、アートワークの「春夏秋冬」もライトトーンで作られている。
 結果として、派手な色(=彩度の高い色)が使われておらず、全体的にすごくまとっているようにみえる。

 スキー場の紹介といえるのはこの「冬」の部分。そこだけクローズアップしてみる。



 さすがに、ゲレンデマップは小さすぎるし、情報としては料金表ぐらいで説明不足もいいところ。
 ただ、色使いとしては、右下の女性が青いウェアを着ている(着せている)ので、青で統一されている。
 この部分を切り取っても、色彩を計算して作られていることがありありと分かる。

 ということで、パンフレット全体としては文句なし。逆に言えば、なんでスキー場のパンフレットって、その多くがツッコミどころ豊富なのかと首を傾げてしまう。



 さて、今回、このスキー場を取り上げたのは、タイトルにもある通り、このスキー場が先シーズンを持って廃業する予定が、急遽営業継続となったからである。
 以前より単年度赤字だった上に、リフトなどの耐用年数が限界に達してしまった。そのための更新経費が町の財政を圧迫するということで、廃業の判断が下ったのである。
 ここで救済の手を差し伸べたのが、マックアース。
 スキー場とホテルをセットで運営するそうで、更新の経費をかけても採算がとれる運営ができると判断したのであろう。
 ということで、何かと物入りの時に言うのもなんだが、これを機にスキー場のパンフを作っていただけないか、と勝手に期待したい。