スキージャンプな毎日 -5ページ目

4ヶ月の期間を経て戦うW杯に対して、オリンピックの舞台というのは、どういう位置付けになるのか。それは結果によっても変わると思っていますが、例えばW杯で伏兵ではあったものの、メダルを獲得したとするなら、それはオリンピック、あるいは世界選手権にあるように、「勝った者が強い」、に当てはまりますが、「強い者が勝つ」、というもうひとつの前提、あるべき姿とも言えますが、それが昨日の試合でした。表彰台の上に立ったのは、マリウス・リンビーク、小林陵侑、カール・ガイガー。完璧だった陵侑の1本目。しかし2本目にプレッシャーを掛けるリンビーク。ヒルサイズを飛び、着地もガッチリ決めます。陵侑の2本目は空中でわずかにバランスを崩し、ライン手前で落下。誰も付いて来れない、この二人のマッチレース。まさに頂上決戦でした。

 

北京オリンピックはノーマルヒル。男女個人、混合団体と3試合が風のように過ぎていった、そんな印象でしたが、女子個人は現在のW杯ランク上位の選手が、そのままメダルを争うという、理想的な展開となりました。それぞれが見せ場を発揮して、今回の結果にたどり着いたと言えるでしょう。残念よりも勝る清々しさがありました。男子は小林陵侑が、遂に頂点を掴み取りました。1本目は歴代W杯総合王者のトップ3。こんな試合はなかなか見られないでしょう。2本目はオーストリア、マヌエル・フェットナーの追撃。過去にはシュリーレンツァウアー、モルゲンシュテルンといったスターが常に目の前にいました。ここでこの大舞台で、千歳一遇のチャンス。ポーランド、ダヴィド・クバツキも、2年前の世界選手権の再現とばかりに食らい付きます。最終ジャンパーとなった陵侑にとって、ここで守り抜くこと、出し切ることが全てだったと思います。スタート時の悪条件に、どうしても失速の二文字が目の前をよぎってしまいましたが、見事に乗り越えました。感動をありがとう!そして、混合団体戦は波乱の中、日本チームはメダル目前まで上昇。スーツの検査については今後も議論が続く、かもしれませんが、何かいい形で改善されて、また次の五輪でこの競技を楽しみたい、となんとも複雑な気持ちが残りますが、そのように思いますね。

遂に始まりました。抜けるような青空が印象的なシャンツェですが、何かこれまでのW杯の流れが一旦リセットされたような印象も受けますね。実力者が上位に来るところはさほど変わっていないんですが、不思議な感覚です。五輪前最後の大会となった、ビリンゲン初日では小林陵侑が1本勝負を制しました。変化する風条件には苦戦を強いられただけに、この勝利は重要な意味を持つきっかけになると思いました。この北京でも相変わらず風の影響は出ていますね。まだ練習や予選の段階ですから、これがメダルを争う試合で、明暗を分ける要素になるかもしれませんね。さあ、まずは女子個人戦です。

W杯はここまでカール・ガイガーが個人総合首位の称号、イエロービブを奪還。2位に61ポイント差を付けている状況。先日のティティゼー・ノイシュタット第2戦では、小林陵侑が大きなお世話のゲートチェンジ逆恩恵を受ける、という憂き目に遭ってしまいました。ジャンプ週間初戦のケースと全く同じと言っていいと思いますが、先に飛んだ選手が良い風条件で、ヒルサイズ到達レベルのジャンプをすると、ゲートが下げられてしまうんですね。更に次の選手も続けて大ジャンプなら、またゲートを下げる、という風に今シーズンはそうなっていますから、その後の風条件が悪くなると、そこから飛ぶ順番の選手はそのあおりをもろに受けてしまう、という事になってしまいます。選手の安全面を考えてという対応であれば、それは解るんですが、結果として面白い試合を意図して演出しているかの様にも見えてしまいますね。

さて、W杯はカミル・ストフとダヴィド・クバツキのいないザコパネ。ちょっと考えられない出来事ですが、それでも、大勢の観客が試合を盛り上げました。初日の団体戦はスロベニアチームがシャンツェを支配。こんなに強かったんだ?と、度肝を抜かれましたね。しかし、日本もいい戦いをして3位。2日目個人戦はマリウス・リンビークが爆発。今一番強いのは俺だ、と言わんばかりでしたね。そして、個人総合首位を追いかけるカール・ガイガーも2位。嫌ですねー。と、正直な気持ちが出てしまいますが。小林陵侑は1本目はトップだったんですが、結果、表彰台には、僅かに及ばず4位でした。ま、面白くなってきたW杯を、最後まで楽しみましょう。

 

マリウス・リンビーク