単純に、飽きちゃったのかもしれない。流行りやブームが好きじゃない天邪鬼が出ちゃってるのかもしれない。そのくらいのスタンスなので、寝物語くらいで。

 

 

 よく知らないって人に「異世界転生もの」を掻い摘んで説明すると、「現世で死んじゃって、何らかの要因で異世界と呼ばれるファンタジーなパラレルワールドに生まれ変わるのだけれど、あら不思議、現世での記憶は残ってるものだから、そのスキルを活かせば無双の大活躍」って感じ。スペクトラムに色んなパターンはあるけれど。

 

 先に結論というか、何をモヤってるのかと言えば、「現世を精一杯生きようと思えない青年が大多数になってるって、どうなのさ」ってこと。大ブームになってるくらい、青年たちが皆、死後の世界を夢想し、恋焦がれているなんて。

「そんな大袈裟な。ただ面白いからウケてるんでしょ」と言うのも分からなくはない。けれど、その奥に、何か気持ち悪いものが潜んでいる気がしてならなくて。本当に心配なやつほど「大丈夫」と笑って見せるから。

 

 

 キーワードとしては「異世界」「転生」「無双(チート)」。

 ただ、どれも目新しい項目ではない。人間の文化史の中には幾らでも登場する。100年も経てば世代は変わるのだから、「新しい発見」って思うことも大体は「300年前に気づいてた人がいますけど」ってことになる。思想や物語はね。知らないだけ。てか、人類が紡いできた膨大な知識を全部把握するなんて無理だし、おこがましい。そして、考えること悩めることはそんなに大差ない。と思う。

 

 「転生」は結構、身近だったりする。仏教の輪廻転生の思想は何となく染みついていて、「だったらいいな」と誰もがぼんやり思っていたり。仏教に限らず、宗教は「死んだらどうなる?」という人間の最たるモヤモヤに答えてきたのだし。「報われる」「次がある」というのは希望なのだね。「こんなに頑張ってるのだから、虚無に帰すのではなく、もっと良い世に生まれ変われたらいいなぁ」と。

 記録が残る人類史最古のエジプト文明の頃から人間は死後の世界を考えてる。ミイラまで作って。誰も見たことないのに死者の書というトリセツまで作って。ま、エジプト文明の場合は「転生」というより「再生」だけれども。

 

 「異世界」は最近、意味が限定されてきていて、「中世ヨーロッパを基本としたロールプレイングゲームの設定世界」になっている。本来は、天国や極楽浄土、地獄や黄泉の国も異世界。日本国民からすればフランスのパリもブラジルのアマゾン奥地も異世界。アンドロメダ星も、バックトゥザフューチャーのパラレルワールドも。「現在暮らしている生活空間とは異なる世界」が異世界なのだけれど。

 この世界観の始祖は『ドラゴンクエスト』でしょう。もちろん、その世界観の基は世界各地の神話や伝説なんだけれども。上手くまとめて「RPGの世界」を確固たるものにしたのは、やっぱりドラクエかと思う。今「異世界」と聞いて「アレね」と答えられる共通言語の基になったと考えると、本当に偉大なるゲームソフト。

 

 

 今日はここまで。疲れちゃった。

 今日も暑かった。皆さま、お疲れ様です。