2021年も半分が過ぎたね。
昨年は仕事に疲れて、新型ウィルスが蔓延して、
春には家の状況が変わって、また仕事に追われて。
行きたい所に行ったり、会いたい人に会ったり、
そんな単純な自由が失われて、もうどのくらいになるんだろう。
まったく、残念な話だ。
新しい仕事は、相も変わらずの障害者福祉。
「新しく施設を立ち上げる人がいるんだけど、手伝わない?」と、
前職場の元上司で、公私ともにお世話になってきた人に声を掛けられて、
働くことにした次第。
正直、もう介護福祉はいいかなぁと思っていたのだけれど、
取ってしまった杵柄は杵柄で、再就職するとなれば杵柄を活かすのが、やっぱり早い。
まったく、残念な話。
も一つ正直、声を掛けてもらった時、まだ働く気はなかった。うむ。ダメ人間。
けれど、恩師に声を掛けられたので、とりあえず面接には応じようと出かけた所、
個人でゼロから立ち上げる、しかも福祉業は初めてという、
言わば善意と熱意だけで始めようとしているオーナー夫妻に通され、
ここで「すいません、まだ働く気ないんで」と言ったら、
きっと僕はその瞬間に人間の称号を剝奪されるに違いないと思ったのが、
3月末の事。
しかしながら、元来の体たらくは変わりようもないので、
「えっと、母の容態も芳しくなく、もしやの時は…」とか、
「僕は何かとスローなので、ガツガツは働けません」とか、
「僕が出来ることは出来るだけやりますが、出来ないことは出来ません」など、
面接テストで0点、否、論外の刻印を押されるような回答を、
次から次に繰り出した始末。
にも拘らず、
「まだ準備段階ですし、色々教えて欲しいので」と採用され、
直後の母の葬儀には、手厚い礼儀を受けた。
だったら、出来ることを出来るだけやるしかない。
そんなこんなの5月6月。
もうね、大変ですわ。
本当にゼロからスタートなので、ボールペン1本から揃えるのだから。
スタッフも開業定数がよくぞ集まったと思うけれど、9割が介護福祉未経験。
な上に、障害者福祉においては9割9分が未経験。
何せ、オーナーご自身が未経験なのだから。
想像してください。
運転免許を持っていない人に運転させることを。
しかも生ものを積載した、今すぐに運ばなければならない8トントラックを。
「何となくクルマは分かるけど。ハンドル握って、アクセル踏めばいいんだよね?」
くらいの人が15人、バトンリレーのようにトラックを運転し、
毎日毎日、市場から届け先へ休むことなく運ばなければならないことを。
その監督を任されたら、毎日助手席に乗って、
交通ルールからクルマの構造、安全で上手な運転を、
手取り足取り教えるしかないでしょ。
絶対に大事故を起こす訳にはいかないのだから。
加えて、整備されたトラックではないのだから、
足りないパーツを揃えたり、毎日のメンテナンスをしたりもしなきゃいけないし、
届け先までの最適ルートを地図で調べて、運転手に渡さなきゃいけない。
ね。休む暇なし。
ってやってたら、一度倒れました。
仕事の説明のために毎日朝から晩までしゃべり続けたら、
ついに喉が切れて声が出なくなり、そこから喉風邪に。
皆様もご自愛ください。
今、風邪をひくと簡単に病院で診てもらえませんから。
私、発熱外来に回されて、長時間マイカーで待たされた上、
防護服のお医者様に診てもらいましたから。
幸い、PCRもインフルエンザも陰性でしたが。
ていうか、家と職場の往復で、あとはコンビニくらいしか行ってないのだから、
これで陽性だったらお手上げだわ。
奇跡的、とも思ったりするけれど、何とかクルマは走り出せた。
オーナーの人徳であろう、集まったスタッフも理解と意欲のある人たちで。
まだまだ足りない所はあるけれど、ちょっとは助手席から降りられる日も出てきた。
今は、以前よりも忙しさは増したかもしれないけれど、
信用されているというだけで、心持ちは全く違う。
やりがいというのは、こういうことを言うのかもしれない、と思う。
しかし、早くくたばらねぇかなぁ新型ウィルス。
もう付き合うのに飽きてきたよ。