アンケートって、困る。
ちなみにアンケートってフランス語。
はっきりと答えられる質問なら問題ない。
「あなたは何歳ですか?」とか、
「あなたは運転免許を持っていますか?」とか。
そうじゃないやつに、僕はいちいち躓く。
「あなたは同僚と信頼関係が築けていますか?」とか、
「あなたは今の生活に満足していますか?」とか。
信頼関係?
築けていると思うけれども、
それは僕が勝手に思い込んでいるだけかもしれないし、
向こうはそうは思ってないってこともあるだろうし、
だとしたらそれは信頼関係とは呼べないし、
かといって全く意思疎通が取れない訳でもないし、
そりゃあ家族や友人や恋人って訳にはいかないけれども、
それはそれで踏み込み過ぎってことになるだろうし、
じゃあビジネスライクにってことになると、
それはそれで建前的なアレで信頼関係なのかって思うし、
仲良くすることもあれば、腹が立つことだってあるし、
それはそれで家族や友人や恋人だってそうだし、
つまり結局のところ、シンライカンケイって何ですか?
って、最後は白痴みたいになって、答えが導き出せない。
満足についても同じような道程をぐるぐるして答えが出ない。
僕は自信家だけれど臆病者だ。
同じように、冷淡だけれど情熱もある。
自分の中で何らかの根拠や得心があれば、
自信を持って、慎重に、きっぱりと、覚悟を持って、決断はできる。
けれど、そうでないものに無暗に決断などできない。
「決断しないという決断」だって世の中にはある、と思うからだ。
面倒くさい人間なのは十分承知だ。
「そんなのどうせ大したものじゃないんだからテキトーに答えりゃいいじゃん」
が、やっぱり正解なんだと思う。
それもできない訳じゃない。
てか、最終的にはそうするしかない。だって答えなきゃいけないんだから。
けれど、
どうしても一度はぐるぐる逡巡しないと、僕はそこへ辿り着かない。
あー面倒くさい。
本日届いたお役所からのアンケート。
「貴事業所は利用者・家族と信頼関係が築けていますか?」
あー面倒くさい。