先日の雪は、

朝の景色の見渡す限りを真っ白にし、僕の頭も真っ白にした。

なぜなら、美しいと思う暇もなく、どうやって除こうかという憂鬱が襲来したから。

平日ど真ん中、容易く休業する訳にはいかなかった。

 

三日三朝、志あるスタッフと共に、始業前から勤め先の雪をかき、

何とか休まずに営業を続けられた。

開所しなければ困ってしまう人はたくさんいる。

そんな思いに応えてくれたスタッフたちに感謝する。

 

 

後日、お上が催す研修会に参加した。

立派な仕事をするためにはお勉強も必要ですよと、常にお尻を叩かれる。

もちろん、必要な知識や新しい知識を仕入れることは大切なので、

渋々ではあるけれど、得るものがあればいいなと席に着く。

 

話が進むにつれ、気が遠のいていく。

睡魔ではない。睡魔であってくれた方が良かった。

学識を積み、経験豊かな講師たちが、法に則り話す内容は、

僕が培い、行ってきたことを根底から否定すると言っても過言ではなかった。

 

やはり僕は、誰かの役に立てるような人間ではないらしい。

ましてや、そんな人間がスタッフを率いるなど、おこがましいにも程がある。

義務的な研修に参加する度、僕は項垂れて帰路に着く。

何度も何度も「否違う、否違う」と、憤りと失望を繰り返しながら。

 

 

その夜は、美しい満月だった。

雪を降らせた重い雲にずっと覆われていた空が、夕闇と共に晴れた。

そして、己の立つ大地の陰で、眩しい月光が3時間程、遮られた。

一ヶ月の満ち欠けを3時間で見る、幻想的な天体景色。

 

月は欠けもするけれど、満ちもする。

雲に隠れもするし、赤銅色に鈍く輝きもする。

大きく見えることもあれば、遥か彼方に見えることもある。

決して見えない裏側も、間違いなく存在する。

 

月食が終わり、再び明るさを取り戻した満月を愛でる。

月満ちて、如月。

凹んでばかりはいられない。

未だ出来ることは、在る。

 

 

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久々の登場はバックショットで。

魅惑のヒップに首ったけ。