急に冷え込んだね。
今日の明け方、今年初めての冬の匂いがした。

狐の嫁入り。
・・・全国区だよね?
日差しがあるのに、雨が降ってる天気のこと。

昼過ぎに出かけたら、狐の嫁入りだった。
どこかで白無垢の雌狐が、
ウエディングソングに感極まってたら素敵だなと想うから、
好きな天気だし、好きな言い回しだ。

 その人を選んだ 人生がいま始まる
 誰もしあわせしか いらないだろう
 それだけを 祈るだろう
 【斉藤和義 『ウエディング・ソング』より】


クルマを走らせていたら、虹が見えた。
くっきりと七色に輝く虹。

ワイパーが雨粒を拭っても、虹は消えない。
当たり前だけど、なんだか嬉しい。
急ぐこともないし、クルマを止めて、
写真でも撮って、眺めてもいいなって思った。

そういう時に限って、なかなかクルマは止められない。
やっと路肩に止めて、写真を撮ろうと構えたら、
虹が、水彩絵の具の筆をバケツの水に浸したように、
じわっと、薄れていった。

薄れていく虹を眺める。
すぐに止まらなかった自分を省みる。
写真か記憶か、迷った自分を思う。
架かっていた美しい虹を、想う。

虹は消えた。
けれど、また架かる日が来る。
I dream over the rainbow 。


 『虹が消えるまで』 斉藤和義

 アイスクリームがとけそうだから
 雨の中を歩くのをやめて
 虹が消えるまで 虹が消えるまで
 僕の好きなこの道に立ってた

 この世界にもしも海がなかったら
 たぶん君もいないだろうって
 この気持ちも この歌も
 この風も この虹も
 なかったのかな?

 虹が消える 虹が消える 虹が僕の前から
 虹が消える 虹が消える 虹がこの世界から

 いつかの別れが僕らに来ても
 それは特別意味などないって
 虹が消えたあと 虹が消えたあと
 君の好きなあの歌がきこえてた

 この世界がゆっくり教えてくれた
 大切なのは始まりなんだって
 この気持ちも この歌も
 この風も この虹も
 嘘じゃないよね?

 虹が消える 虹が消える 虹が僕の前から
 虹が消える 虹が消える 虹がこの世界から

 雨と太陽と君がいたら
 また虹はかかるから
 雨と太陽と君がいたら
 また虹はかかるから