今日もいい天気だ。
今年の11月は、温かく、穏やかな日で始まった。
温かく、穏やか。
いいことだ。
人間の最も基本的な不安の一つである「天気」を、
心配せずに済む。
こんな日が続いたら、ケンカも減るかもしれない。
「駅まで傘を持ってきてくれよ」
「はぁ?なんで私が?」
「すぐじゃないか。5分もかからないだろ?」
「忙しいの!濡れて帰ってきなさいよ!」
なんてこともないしね。
東京の「日暮里」は、
「日が暮れるまで居られる美しい里」だったんだってね。
陽気のいい日にピクニックに出かけて、
川辺に座って、日が暮れるまで、のどかな景色を眺める。
そんな楽しみを、江戸っ子は持っていたんだそうだ。
こんな日には、日暮里で過ごすのが気持ちいいだろう。
地球の人口が、70億人に達したそうだ。
昨日のニュース。
昨日の10月31日産まれの子供には、
「70億人目ですよ」って証明書がもらえるんだとか。
つい最近まで、
「あなたに出会えたのは、60億分の1の奇跡」なんて、
結婚式場のCMで歌ってたのに。
世界を操作できる国は、
少子化問題に、頭を抱えている。
世界に操作されている国は、
人口増加問題に、頭を抱えている。
問題は山済みだ。
これからは、さらに深刻だと思われる問題が、
70億人の頭を悩ますことになるのは、
目に見えている。
社会的なシステムにおいて、
ヒトは、他の生命体よりも優れている。
けれど、生命体としてのヒトは、
他の生命体と何ら変わりがないってこと、忘れちゃいけない。
大型の単体生命体が、
僅かな時間で70億を越えるなんて事態は、
地球も初めて経験することになる。
ガイア理論。
僕は学者ではないので、具体的なことは知らない。
けれど、そんなことを考える学者がいることは知ってる。
「地球は、大きな生命体のようなもの」
そう考えるのが、ガイア理論の主旨だと思えばいいと、
僕は解釈している。
1960年代に、J・ラブロックという化学者が仮説を立てた。
「生物と環境には、相互作用があるよね」って声にした。
最初は、全否定に近かったらしい。
「科学的ではない」、「理論的ではない」ってお決まりの批判。
それが今や、皆さんご存知の、
「エコ」の考え方の一つになったと言っても過言じゃない。
エコ。エコロジー。Ecology movemennt 。
これまた様々な捉え方があるけれど、
「地球に優しい」とか「環境に配慮しています」とかが、
学者ではない一般日本人の認識だろう。
気にかかるのは、
日本のエコは、「っぽい」がつくところだ。
地球に優しいっぽい。環境に配慮してるっぽい。
「よく分かんないけど、いいことだよね?」で止まり、
「なぜ?」って、調べたりしないで止まっちゃう人が多い。
そして、「不便になったら嫌だ」が、必ず付く。
だから、本質とは掛け離れた宣伝に流されてしまう。
「環境保全に貢献しています」ってシールの張られた、
プラスチックトレーに入った、ラップに巻かれた、
よりエネルギーを使った保冷車で運ばれた、
季節を無視した、海の向こうの砂漠を増やしている、
ありとあらゆる食品を、
「もうちょっと安くなんないかなー」って、買う。
買わされる。
だからといって、
「自然に帰れ」ってのは、僕は好きじゃない。
人が築いてきた文化は、誇るべきものだ。
ただし、70億のヒトが生きていくためには、
なぜ生きていられるのかを考え始めなければ、
さらなる文化を築くことは、できない。
インフルエンザ・ウィルス。
予防接種の季節だね。
流行らなければいいなって誰もが思う、嫌な病気。
ウィルスも、生命体だ。
ただし、単体では生きられない。
何かに宿っていなければ、生きられない。
にも関わらず、
「ここは過ごしやすい」と言わんばかりに、
ヒトに宿ると、あっという間に増殖し、
本来は住み家であるはずの、
ヒト自体を死なせてしまう。
馬鹿だなぁって同情する。
ビフィズス菌くらい上手に、
ヒトとの共存を考えたらいいのにって、思う。
推測される地球の46億年の人生からすれば、
ヒトの増加を示すグラフは、
ヒトがインフルエンザに罹った時の、
ウィルス増加グラフとは比べ物にならないくらい、
猛烈な右上がり。
高熱を出したり、身震いしたり、
地球も、ヒトと同じような症状を呈すんじゃないかって、
温暖化や、地震が起きる度に、思う。
新型ウィルス「ヒト」に対して、ワクチンも持ってない。
最新型の特効薬「ペスト菌」も、
一時効いたけど、耐性ができてしまった。
乾燥肌にしたり、善玉菌を死滅させたり、
厄介なヤツだと思ってたが、
最近では「放射能」なんて毒素まで出しやがる・・・。
「何とかしないと、ホントに死んじゃう」って、
僕が地球なら、今、ものすごく恐怖を感じているに違いない。
インフルエンザ・ウィルスのように、
母体に忌み嫌われ、母体を滅ぼす存在になるか、
ビフィズス菌のように、
母体を育み、少しでも母体の役に立つ存在になるか。
穏やかな日が、
地球にとっても穏やかな日であればいいなぁ。
君がいなくなったら、
僕もいられなくなっちまうんだ。