木曜の夜、映画を見に行った。

見たのは、『トランスフォーマー3:3D』。


まずは、作品の感想。


とってもとっても、くだらない映画だった(笑)。

予想通りの、最低なSF。


もう、ね。言葉はないです。

いや、あるな。ツッコミどころ満載だからな。

・・・ただ、書ききれないから、やっぱりナシだな。


ファンの人、作った人、ごめんなさい。

僕には、伝わりませんでした。



ただし、「映画を見に行く」というイベントとしては、最高だった。


昼休みのこと。


「今日、映画行かねーか?」

「いいっすけど」

「じゃ決まりな」

「何見るんすか?」

「トランスフォーマー3」

「・・・マジっすか?」

「何が悪い」

「いや、他にも色々・・・」

「見たんだよ」

「何を?」

「1と2。TVでやってたろ?」

「3もすぐ、TVでやりますよ」

「3D」

「はい?」

「見たことないんだよ」

「で?」

「ちょうどいいだろ?しかも、レイトショーは安い」

「僕が行く理由には、どれも当てはまりませんが・・・」

「なんか予定あんのか?」

「ないっすけど」

「じゃ、18時30分集合な」

「・・・はい」


結局、おっさん4人で映画に行くことになった。


集合して、僕のクルマに乗り込んで、

夕飯食って、時間もてあまして、

併設のゲームセンターで時間つぶして、

仲良く4人並んで3Dメガネかけて、

終わったのが0時すぎ。


他の観客が大人しくエンドロールを見てる中、

真っ先に席を立ったのが、僕たちだった。


「何すか、これ」

「ヒドかったなー」

「長いわ」

「腰、痛い」
「あれでいいのかよ?」

「良くないでしょう」

「だよな」

「3D、もういいわ」

「目が疲れた」

「音もデカすぎる」

「寝るに寝れん」

「ほんとに、あれでいいのかよ?」

「絶対、良くないでしょう」

「だよな」


帰りのクルマの中も、ずっとこんな調子だった。

やれ、最初からミサイル打っとけだの、

ほれ、あんなのにナイフで立ち向かうバカがいるかだの、

精神年齢の低い文句で持ちきりだった。


ただし、会話が途切れることはなかった。

軽快な怒りと、爽快な呆れと、純粋な笑い。

僕は、すこぶる愉快で、ずっと笑いっぱなしだった。


これが逆に、シンミリくるような良い映画だったら、

こんなに愉快ではなかったと、思う。


一人で見るなら。

恋人と見るなら。

友だちと見るなら。

家族で見るなら。


単に「映画」といっても、楽しみ方はたくさんあるし、

作品の良し悪しは、一方向からのものだけではない。

改めて、面白いなぁと、思った。


作品としては、

『くだ巻き親父4人組、映画館へ行く』の方が、

ずっと面白い作品だったと、思う。