休日を、どう楽しむか。


仕事や日々の暮らしの疲れを取るために、体を休めるのが休日。

しかし、ただ休んでばかりではつまらない。


「どこかに出かけよう」

残ったの気力体力を使って、さらに気力体力を回復させるのが、

休日を楽しむということに違いない。


「出ておいでよ」

長年の友人だけでなく、職場の後輩までが、

僕の気晴らしになればと、休日のお出かけに誘ってくれた。


「お洒落になりたい独身男をコーディネートしよう」

同僚の有志で結成された野郎グループで、

一人のモテない男の服を名古屋へ買いに行くという。


誠に馬鹿馬鹿しい企画に、

僕は即座に「乗った!」と返事をした。



古着屋から人気ブランドショップまで、

よく名古屋に買い物に来るという指南役を先頭に、

野郎6人が、そぞろ名古屋市内を歩く。


趣味趣向もバラバラな上に、

30オーバーが5人に18歳が1人というアンバランス。

それだけでも馬鹿馬鹿しくって、なかなか素晴らしい。


その陳腐な団体が、只今バーゲン真っ最中の

込み合ったお洒落ショップに突入するのだ。


お一人様、カップル、友達連れ、家族連れ。

見るからにお洒落な、大勢のお客様たち。

洗練された目利きで、優雅に品定めをしておられる。


それに比して、我が愛すべき者たちは、

「しまった!さっき買ったサングラスより、こっちの方がいい!」

「カバンが欲しいんだよな」

「あっちのショップも見て来ていい?」

肝心なコーディネートはそっちのけで、自分の欲求に専念している。


張本人に「どうだ?」と聞いたら、

「サイズがないんスよ・・・」

・・・根底からの問題が大きく立ちはだかるとは。


ああでもないこうでもないと、

真夏日の名古屋を歩きたおして、休憩を取る。


お洒落カフェに、野郎6人。

サイズ問題とお洒落の方向性について、再度検討する。

本日最高の馬鹿馬鹿しさ。


結局、大きいサイズのあるショップをケータイで検索し、

来た道を戻りつつ、そのショップを目指すことに。


「最後のショップだぞ」

「社会勉強に何か買っとけ」

「今日を無駄にするな」

脅迫という名のスタイリングと店員の強引なオススメに背を押され、

張本人もシャツを1枚購入した。


「いやー、良い買い物ができたな」と、

名スタイリスト5人とモデル1人は、

それぞれ自分の買い物袋を大事に抱えて、帰路についた。



今、僕のふくらぎは疲労感を感じている。

しかし気分は、とても清清しい。

後輩の心意気に、僕は休日を楽しむことができた。



ちなみに、

最も多く行方不明になり、

最も早く自分の服を購入し、

最も長く皆を待たせたのは・・・


僕です。

すいませんでした。感謝しています。


Norton Motor Cycles の刺繍入りポロシャツを\1000で、

さらにはドリップコーヒー用グッズを\5000で購入できて、

とっても満足しています。