1泊2日で鳥取県の大山・境港に行った。

霞の中、朝日に輝く神々しい大山や、妖怪一色の賑やかな通りを楽しむ。


職員旅行。あまり良いイメージがない気がする。

というより、「旧い」か。もう、そんな福利厚生を行っている職場は少ないだろうし。


個人で何でもできる世の中では、関心の薄い大勢の人と過ごすことは「マイナス」だろう。

忘年会か歓送迎会が、職場の人、大勢と共に楽しめる限界と考える人は多いと思う。


ウチは大企業ではないし、田舎の職場。途中採用が多く、僕に同期はいない。

同行者は、上司、先輩、後輩のみ。またイメージが良くない気がする。


さらに僕は、フロントの大いなるフトコロに許しを得て、幹事的な役割をする。

宴会隊長。・・・またまたイメージが良くない。



「面倒くさい」「気を使う」「騒がしいのが苦手」。

マイナスイメージの素は、こんなところでしょう。


自分の気持ち。自分から出すオーラ。

上に書いたマイナスの素は全部、自分だ。


一人が寂しいのはなぜ?

誰かの優しさが嬉しいのはなぜ?

街やTVの賑やかさが楽しいのはなぜ?


自分とは違う人が、プラス発信をしてくれることを求める気持ち。

誰かが、プラスの素を出してくれる喜び。



僕は、職員旅行が好きだ。

幸せなことに、職場の人たちに恵まれているのは間違いない。

けれど自負は、日々の職務の中で、少しずつ積み重ねたプラスの素が、この旅行で開花すること。


上司からの信頼。先輩からの信頼。後輩からの信頼。

たくさんの信頼を得て、想像を超える楽しさが、喜びになる。


気持ち良く酔っている上司。話の弾む先輩。はしゃいでいる後輩。

マイナスイメージで見れば、ひどくマイナス。

プラスイメージで見れば、とてもプラス。

マイナスを超えるプラスを引き出せた時が、宴会隊長の成功だろう。



家族へのお土産をぶら下げて、皆が家路につく。

「楽しかったよ」。お世辞でも、嬉しい。


旅行から発信された、皆のプラスの素が、

明日からの職務の、様々な場面で種を蒔いていく力になることを願って、

僕は、コーヒーを飲む。