「始めました」は、カフェのテラスで書いた。

田舎の小さなカフェの、最高に見晴らしの良いテラスで。


カフェのお一人様利用における効用は、

『部屋では“鬱々”と感じることが“晴々”と感じられる』ことだと思う。

本を読む、手紙を書く、メールを打つ、来週の予定を確認する、などなど。

もっと辿れば、コーヒーを飲むことも。

どれも部屋で一人で出来ることだけれども、気分が違う。


学生時代に、部屋で勉強するより、図書館やファミレスの方が集中できたり、

真っ暗闇で静まり返ったベッドより、エンジン音や振動のある車内の方が眠れたり。

そんな感覚が分かる人なら、鬱々とした時に、カフェに行くことは有効でしょう。


のんびりゆったり過ごす時間。

ゆっくりと、社会の中の自分を確認できる時間。

慌てず急がず、けれど閉じこもらず。

フラットな気持ちを取り戻す場所。


少し前まで、僕は鬱々としていた。

途方に暮れていた。

けれど、多くの理解者のおかげで、晴々することを思い出させてもらった。

あとは自分で晴々する行動を取るだけだ。


カフェの女性オーナーは、

「一度きりの人生。やってやれないことはないんですよ」と、

穏やかな笑顔で、温かいコーヒーをサーブしてくれた。

「一人になるってことは、何でも出来る良い機会を得たと思いましょうよ」と。


また一人、晴々つながりが増えたことが、嬉しい。