──1月10日、ISKA世界ムエタイバンタム級王者になりました。反響は?
志朗 自分は変わっていないけど、まわりの反応は変わりましたね。世界チャンピオンという形で紹介されることが多くなった気がします。
──戴冠後はテレビ埼玉で密着ドキュメンタリー『志朗 世界への挑戦』が放送されました。
志朗 あっ、あの番組を見てジム(BeWELL)に入ったり、体験に来た人がいましたね。同じさいたま市に世界チャンピオンがいるなら行ってみたいというのがあったらしくて。
──ニュース番組にも出ていましたよね。
志朗 やっぱり出ているのと出ていないのとでは全然違うと思いました。やっぱり見ている人がいるわけじゃないですか。その差は大きいと思いました。
──王座を争ったダニエル・マッグウォーンはムエタイがきちんとできる選手でしたね。
志朗 首相撲が強かったですね。倒すとか駆け引きをやっていると無駄になると思ってローを中心に攻めました。
──ところで、今回の相手”アベンジャー”ライアン・シェーハンは?
志朗 ヨーロッパに行って現地のプロモーターと会った時、「ヨーロッパの55㎏級で誰が一番強いのか?」と聞いたら、シェーハンの名前があがったんですよ。それで闘うことになりました。
──試合映像は見た?
志朗 3試合くらい見ました。すごく粗いんだけど、ヒジとヒザ、とくにヒジが有名だそうです。しかも斬るヒジではなく、倒すヒジが得意なんですよ。構えはオーソドックスだけど、たまにスイッチしたりもする。
──どんなヒジを使ってくる?
志朗 横も縦も両方使ってきますね。リーチも結構長い。どんどん前に出ながら、ヒジとヒザを打ってくる。最後は相手の心が折れて試合が終わる。そういう試合が多い。
──対策は立てている?
志朗 今回は3回戦じゃないですか。今まで3Rは苦手な部分があったけど、いまはもう1Rから行けるようになりつつあるので、自分も前に出て闘いたい。(フィジカルトレーナーの)ニック永末さんにも「スタミナはかなり上がっているので、1Rから行っても大丈夫」と太鼓判を押されています。
──フィニッシュはイメージできる?
志朗 向こうはまだ若いし、気持ちが折れやすいと思う。なので、途中でシェーハンの心を折るようにな感じで闘いたい。
──決戦当日にはどんなところに注目してもらいたい?
志朗 3Rの自分と5Rの自分は違うというところです。3Rの方が緊張感のある試合ができると思う。そこに注目してもらいたいですね。
(スポーツライター 布施鋼治)