決戦直前の志朗選手にインタビューしました。
○志朗
最終的にはロドリゲスの心を折りたい
──3月17日、ランシットスタジアムで行なわれたトングサーム・ソーグルウォン戦の4日前に蜂窩織炎を発症。手負いの状態のままトングサーム戦を決行して接戦の末判定勝ちを収めました。
志朗 いい経験になりました。(左ヒジを)使えない状態でいろいろなことを試すことができたので。あの一戦を経験したおかげで、ある程度ケガをしても普通に試合に臨めるようになったと思う。
──いつどこでかかってしまったと推測する?
志朗(96ピーナンジムで年間最優秀トレーナー賞を受賞したこともある)ガイスイットさんとミットをやっている時、2~3回転ばされて左の手首が痛かったので、そこをかばうようにしてヒジから転んだ。その時の衝撃で傷を負ってしまったんだと思います。たぶん試合の10日くらい前に。
─仕切り直しで、今回は初めてISKA世界ランキング戦に臨みます。ISKAにはどんなイメージを持っていますか?
志朗 魔裟斗さんが持っていたイメージですかね。大きな世界規模の組織という印象もある。自分の試合が決まってから、ネットでISKA世界ムエタイスーパーバンタム級王者(イギリスのディーン・ジェームス)の試合映像も捜して見ました。ルンラウィーをKOしていたので、強い選手だなぁと思いました。
──今回ランキングを争うネスタァー・ロドリゲスについては?
志朗 2011年頃、スペインで行なわれたムエタイウォリアーズという大会で当時7チャンネルのチャンピオンと試合をしている。1~4Rはヒジや蹴りでチャンピオンを圧倒していました。左ミドルも打てれば、首相撲もできる。普通にムエタイができる選手という印象を持ちました。僕は左ミドルが苦手な部分もあるので、ぜひそういうタイプと闘ってみたかった。もちろんロドリゲスの左ミドルをカットしたり、それに合わせて右を当てる練習は積んでいます。
──どんな試合をしたい?
志朗 最終的には相手の心をボディ攻撃で折りたい。ロドリゲスはスウェーでよけるのがうまくて、顔面攻撃はあまりもらわないタイプなんですよ。
──今回に一戦に向け、重点的に練習していることは?
志朗 ローキックです。相手がカットできないようなローを練習しています。ロドリゲスにも当たれば、効くと思いますね。
──ロドリゲスに勝ったら、当然ISKA世界王座を狙う?
志朗 そうですね。この階級はヨーロッパにしても結構試合レベルが高い。選手は限られているかもしれないけど、さっき話に出た世界王者とかアンディ・ハウソンとか3~4名は強い。
──現在日本国内ではヒジなしルールでの55㎏級が流行っています。
志朗 そうですね。でも、ヒジありでないと自分はやりたいとは思わない。ムエタイの方が自分には合っていると思うので。
──いま国内でやりたいと思っている選手は?
志朗(ISKA世界オリエンタルバンタム級王者の)寺戸伸近選手や藤原あらし選手ですね。ふたりとも、いつ辞めるかわからないじゃないですか。だったら早いうちにやっておきたい。
(インタビュー・スポーツライター布施鋼治)