とても蒸し暑い日が続いています。寒暖の差が大きく体調を壊しそうですね。

 

日本のバブルが崩壊してから、デフレ経済となり、企業はグローバル展開して国内雇用が失われていく中で新自由主義によって格差が拡大しているという話をよく聞きます。また、今や子供の6人に1人が貧困であるという調査もあります。では本当に日本で所得格差が拡大しているのでしょうか。

 

 

みずほ総合研究所がまとめた内閣府の資料を見てみると、日本の所得格差は第二次世界大戦を期に一気に縮小し、高度成長期では横這い、その後バブル崩壊後に少し高くなってきました。また、全体として軒並み第二次世界大戦を期に所得格差がガクンと縮小していることがわかります。

 

第二次世界大戦は世界にとって不幸な戦争でしたが、ただひとつ結果的に良い点を挙げるとすれば、戦争によって財閥など既得権益が破壊され、世界的に格差が縮小したことでしょう。しかしその後、80年代以降くらいからとくにアメリカでは第二次世界大戦以前の世界恐慌以前の水準に格差が戻ってしまいました。

 

 

 

日本は格差を示す指標(ジニ係数)でも、OECD加盟国の中でも経済規模が大きい割には格差が少ない国だといえます。つまり、1%の富と99%の貧困という話は確かにアメリカでは問題でしょうが、日本はまだまだそのレベルに至っていないというのが正解だと思います。

 

むしろバブル崩壊後のデフレ経済下にあって、内需規模が大きい日本型社会主義といわれるようにみんな仲良く所得が減ってしまったということだと思います。

 

面白いことに、日本では若年層人口が減少していく中で7月8月の有効求人倍率が1.52倍と、バブル期を超える空前の雇用改善が起こっています。学生はいま売り手市場でバブル崩壊後の就職氷河期に社会に出た私の世代に比べればとても良い時代になったといえるでしょう。

 

しかし問題は若年層世代において、子育て世代、シングルマザーの増加などで、教育の不均衡が生じており、これは早急に改善されなければならないと思います。

 

世界的にみれば、格差はむしろ拡大する方向に動いており、金融バブルがはじけ、第二次世界大戦前夜のような不安定な状況に陥る可能性が高まっているのかもしれません。北朝鮮有事や中国の巨額の不良債権、国内ではオリンピック後の消費低迷なども考えられます。

 

消費税増税は景気に水を差すので逆効果だと思いますが、それでもどこかから税を取らないと財政収支が改善しないのであれば、果てさてどうするのでしょうかといったところです。大企業へ課税を増やせば企業はまた外国へ出ていくので、これもまたデフレ圧力を高めることになります。もし国債が永遠に借り換え出来て、永遠に必要な時に必要な量だけお金を発行出来るのであれば、そもそも税なんて必要無いし、とっとと無税国家にするべきです。

 

選挙のお題目がどうも表面的でしかありません。みんな聴き触りの良いことしか言っていない。マスメディアは本来、国民が正しくファクトチェック出来るような客観的なデータを出すべきですが、当のマスメディアも問題を掘り下げて究明しようとせず、ただただ表面的で劣化が著しい。

 

レッテル張りして批判することを主目的にしている政党や、ヤジで立候補者の主張をかき消すような下品なことも起きています。立場がどうであれ論争しないでレッテル張りばかりしてヤジっているのは、まさに民主主義の劣化を象徴しているような状態と思います。。