9月18日放映されたNHKのクローズアップ“精子クライシス”で日本の生殖医療(体外受精)は商業主義(利益追求)が強まったのと同時に、世界最低の妊娠率となったことが、初めて生殖医学会の権威ある立場の先生から公にされました。本ブログを読まれていた方々にすれば今更の感が強いのではと思われます。世界で最も人口当たりの体外受精施設数が多い日本において、さらに新たな体外受精施設の新設が続いており、さらに妊娠に結びつかない体外受精の採卵周期数が増加するのではと危惧されます。しかしついにSNSやメディアそして生殖医療専門医の中で一部の良識のある方々が、不妊で悩む方々の意識を目覚めさせつつあります。そして国内の体外受精施設での採卵周期数はついに減少に転じ始めました。中には閉鎖や廃業に追い込まれる施設も出ているようです。
 体外受精施設が競合するようになってくると、優位性を示すための差別化に利用されるのが男性不妊診療です。男性不妊専門外来を設置し、中には男性不妊専門医を常勤で雇うなど様々ですが、実力のある泌尿器科医であれば間違っても産婦人科医に雇われることはありませんし、非常勤で体外受精施設に出向くことはありません。逆に泌尿器科医が産婦人科医を雇って無精子症の治療を積極的に行うところも出てきましたが、micro TESEと体外受精にダブルで助成金が出ることをいいことに、micro TESEと体外受精を一等地で高額な料金で行っており、商人気質丸出しです。
 それでは儲け主義ではなく、患者本位で医療を行ってくれる生殖医療施設はどうやって見抜いたらいいのでしょうか?これまでの本ブログをすべて読んでいただければその目を養っていただけますが、改めて患者さんの弱みに付け込んだ商業主義の生殖医療施設を見抜くポイントを列挙します。

1:体外受精関連雑誌に大きく取り上げられたり、インターネット検索サイトのトップぺージに広告と左上に記されて掲載される施設(バカ高い広告料を支払ってまで儲けたい)
2:チェーンやフランチャイズで拡大経営している施設(基本的にブラック企業でスタッフや患者さんにとって良い施設ではない)

ここからは実際に体外受精施設で治療経験しないとわからない内容です。

3:胚凍結を5日目の胚盤胞まで待たずに3日目や2日目で凍結保存して胚移植する施設(移植キャンセルを少なくして妊娠率の低い初期胚を多数回移植して移植代を取りたい)
4:男性不妊外来があるが、一人一人すべての男性パートナーに受診を勧めない施設(男性不妊外来は動物園の客寄せパンダで、男性不妊外来を目玉にできるだけ体外受精に誘導したい)
5:2010年のWHOの精液検査基準を大幅に上回る基準値で男性因子を判定してそれを理由に体外受精を勧めてくる施設(体外受精に持っていく理由を欲しがっている)
6:体外受精を勧めて嫌がられたり抵抗を示されて初めて男性不妊外来や泌尿器科受診を進める施設(最初から儲けに繋がらない自然妊娠させることなど考えていない)

ここからは無精子症に関しての内容です。

7:micro TESEで同時に採卵をやりたがる(精子が見つからなくても採卵代が取れる)
8:学会で禁止されているドナー精子の顕微授精をヤミで行っている(助成金を不正に受け取っている)
9:学会で禁止されている親族精子を用いた顕微授精をヤミで行っている(助成金を不正に受け取っている)

医師の真の技術と良心を見抜くことは一般の方々にとっては至難の技です。思い通りの結果が出なかった時に初めて真実が見えてしまい治療を受けたことを後悔される方があまりにも多いように見受けられます。