注目の裁判 控訴審始まる | エフネットスポーツ社長日記

エフネットスポーツ社長日記

埼玉を本拠地に活動するフットサル・サッカー関連会社の社長日記です。
仕事のこと、プライベートなこと、気ままに書いております。

注目の裁判の控訴審が始まりました


図面付きで載っていますのでまずは見てください

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201110150005.html


事件は2004年の2月。

小学校で、ゴールに向かってサッカーをしていた小学校5年生。

ボールがゴールを外れて道路に飛び出しました。

そこに通りかかった、80歳代の方が、ボールをよけようとしてバイクで転倒、骨折。


その後、この被害者が認知症を発症して、翌年の7月に物をのどに詰まらせて死亡。


これに対して、被害者の遺族が5000万円の損害賠償を求めて提訴しました。


この死亡と事故の因果関係が問われ、一審の6月には

「ゴールに向かってボールを蹴っただけで、違法性はない」という弁護側に対して

「蹴り方によっては、ボールが飛び出すことは予見できた」とし、

怪我と認知症の因果関係を認めて1500万円の賠償を命じています。


注目すべき点は

 ・訴えられているのが学校ではなく子供(当時小学校5年生、現在19歳)であること

 (※賠償命令は保護責任者ということで親に対して)

 ・事故後、1年経過したあとの誤飲による死亡との因果関係

 ・請求金額が5000万円ということで高額なこと


などです。


 まずは亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。

 あくまで事故と裁判の内容についての意見ですので、どちらか一方を

 貶めたり、批判したりというつもりではありません。


 ゴールへ向かってボールを蹴る行為自体は、全く自然なことであり

 「蹴り方によっては・・・」と指摘されているが、そもそもシュートがすべてゴールに入るなら

 練習なんてしなくていいわけです。


 それを、小学5年生に予測しろというのはあまりに乱暴ではないでしょうか。

 たとえば、ゴールのないところで外に向かって蹴っていたかならまだしも。


 さらに骨折の賠償ならわかりますが、その1年後の死亡の原因をこの子供に求めるというのが

 そもそもわかりません。


 まずは、問われるとするならば、門の前にゴールを設置している学校側。

 今回の判決に、なぜ学校側が責任を問われていないのか(そもそも訴えられていない?)

 不思議でなりません。


 そして、その骨折と1年後の誤飲による死亡との因果関係。

 そもそも認知症の方の誤飲というのはよく聞く話で、一番気を付けなければいけないもの

 のはずです。


 さらに、このご老人は脳に障害があったと裁判記録にあります。

 たしかに、骨折などで動けなくなった場合認知症になりやすいと言われますが

 認知症と骨折の関係の立証って、難しいのではないでしょうか。


 また、請求額が5000万円と高額なことも気になります。

 仮に事故に過失があったとしても、それが大きな過失であったかどうかといわれると

 そうではないと思います。


 よくある例が、事故の責任の所在を確かめるために遺族が訴える形。

 その場合、請求額はそれほど高くないことが多いような気がします。


 また、被害者が若い場合。生涯賃金から請求額が高額になる場合があるとおもいます。


 今回の例は、どうなんでしょうか。


 すでにリンク切れになっている記事の中で、加害者側が傷害保険に加入しており

 骨折について保険会社を通じてやり取りをしていたが、まとまらなかったという記事がありました。

 (すでにリンク切れ記事なので情報は不確か)

 このあたりでもめた原因が裁判にまで発展したのかなという見方もあります。


 いずれにしても、この裁判の行方は、今後のスポーツに大きく影響すると思います。


 仮にこれがこのまま有罪となった場合


 学校や公園などで、子供がサッカーなどをする姿がなくなるかも知れません。

 学校での少年団などのスポーツ活動も制限されるかもしれません。


 もしかしたら、放課後の学校開放などもなくなるかもしれません。


 また、我々のようなスポーツ施設運営者も、安全管理についてより一層の

 徹底をしなければならないかもしれません。


 今後の裁判の行方に注目をしたいと思います。