人生の終わり方

      

同世代の加藤茶がTVコマーシャルでコメディアン芸能生活から離れ、淋しそうな表情でエンディングノートについて語っている。スウェーデンの葬儀屋でも人生を終える準備としてVita Arkivet(白い記録)という小冊子を希望者に無料で手渡している。

これに個人で所持しているいろいろな情報、所有する資産、銀行口座、保険、デジタル関連コード、家族構成、資産処分方法など遺言とする内容とか、葬儀は教会か公民館か、だれを呼ぶか、誰に知らせるか、どんな棺か、花は何を飾るか、葬儀に音曲は流すか、映像はどうか、式後の来訪者への提供は茶菓か料理か、墓石の碑銘は・・・と細かい項目を記入する。

これを登録するとカードに登録番号を入れデータを登録保管してくれる。これでいつ亡くなっても問題はおきない―という。コロナで高齢者はいつどうなるかわからない―ということで、昨今、弁護士事務所は遺言相談で大忙しだそうだ。

自分も遅まきながらページ順にメモを作ってみた。あまり葬儀には関係ないと思うが、中には好きな色は、好きな本は、好きな場所は、好きな芸能人は、好きな曲は、好きな食物は、座右の銘は、など書くところもある。別冊では墓石のカタログもあって、MSワードで作成すればどんな文字も500krで刻印してくれるという。自分のお墓に文字を刻んだ姿をあれこれ想像してみる。こじんまりとして15000kr(約17万円)くらいかかりそうだ。もう少し派手にしてもよいかな、と考えたりしていると、妻が自分は自然葬がいいという。どうせ子供、孫たちは墓の手入れに関心を持ってくれないだろうし、手間をかけさせないほうがよいからという。日本では見栄で立派な墓を墓石屋に勧められつくるが、スウェーデン人はこんなところでも合理的に考え行動する。スウェーデンでは所得税の中に教会の葬儀代が0.25%含まれているので教会葬儀に金はかからない。葬儀は毎週木曜日。関係者の都合の良い日がまとまるまで遺体は冷凍保存してくれるので、日本のように忙しくはない。

サヨナラの仕方は自死以外自分で決めることはできない。事故死、病死、老衰といろいろ。妻が先に行くこともありうる。その用心もあってか料理は毎日交互に担当している。掃除、洗濯も自分のものは自分でする。難しいのは貧乏性で断捨離ができないこと。ものに囲まれた自分の部屋で仕事をしインターネットを楽しんでいるが、そろそろ大決断が必要の様だ。

子供、孫、総勢20人のわがスウェーデン家族。時には始祖を思い出してもらえるようなものを残したいと、ノートを見ながらいろいろ考えている。