NIGHTMARE ALLEY

監督:ギレルモ・デル・トロ

音楽:ネイサン・ジョンソン

主演:ブラッドリー・スーパー、ケイト・ブランシェット、トニー・コレット、ウィレム・デフォー、リチャード・ジェンキンス、ルーニー・マーラ、ロン・パールマン、メアリー・スティーンバージェン

2021年 アメリカ映画





ウィリアム・リンゼイ・グレシャムの小説「ナイトメア・アリー 悪夢小路」をギレルモ・デル・トロ監督が映画化した作品。

この小説は、1947年にも映画化されているそうですが、そちらの方は未見です。

ストーリーは、怪しげなカーニバル一座に雇われた男が、そこで師匠について読心術を学び、芸に使うようになります。ある日、師匠が急死し、彼が大事にしていたマニュアルを手に入れたことから、男は政財界の大物を相手に読心術を披露し財を成していきますが・・・というお話。

見せ物小屋風な昔のサーカス一座の猥雑な雰囲気と薄気味悪さがいい。

デル・トロ監督の趣味が全開の、地味だけどこだわりのビジュアルが見事です。

サスペンスなのにしばらく何も起こらず、カーニバル一座の群像劇のようなお話が続きますが、何故か退屈しないのが不思議です。

少々長い感じはしますが、デル・トロ流のノワールな作品で、全体を覆うちょっとダークな雰囲気が素晴らしい。

なお、エンドクレジットででっかく映し出される物体が劇中のアレだったり、悪趣味ギリギリのところを攻めてくるデル・トロらしい演出に思わずニヤリとしてしまいます。

判事の妻役の上品な感じの高齢女性って、メアリー・スティーンバージェンだったんだ。分からなかった。








音楽は、ネイサン・ジョンソン。

「ナイブズ・アウト」と同様、オールドスタイルな正統派オケスコアで、最近おっさんは、この人がお気に入り。

前半の群像劇で登場するテーマは、ピアノがリードを取る悲しげなストリングスチューンです。

劇伴もテーマ同様、悲しげなストリングススコアが

中心となっています。

中盤からは、次第に不穏な雰囲気を醸し出すスコアが増えていきます。

全体的にストリングス・ベースのオーソドックスなスコアで、おっさん世代には安心して聴けるスコアです。

本編後半では、サスペンスフルなストリングスのモチーフが登場し、クライマックスに向けてオケが激しくなります。

サントラは、ダウンロードとアナログ盤の2種類が出ていますが、アナログ盤の高いこと。二枚組とはいえ、1万円近くします。昔のレコードとか溶かして材料を再利用したり出来んのだろうか。とても買えません😅