PERICOLO NEGLI ABISSI
監督:ジョー・ダマト
音楽:カルロ・マリア・コルディオ
主演:フランク・バローニ、チャールズ・ブリル、ミッツィ・マッコール、アレン・コール、キース・ケルシュ
1988年 イタリア映画
本日は、久々にパチモンをご紹介。
ジョーズの大ヒットにあやかっていつまでもサメ映画を量産し続けたパチモン王国イタリアですが、80年代も後半になったのにまだサメ映画作ってました。
ストーリーは、幼馴染の仲良しグループの一人がある日サメに襲われて死んでしまいます。残された仲間は協力してサメに復讐を果たす・・・というお話。なんかスティーヴン・キングも入ってるかな?
総じて登場人物の描き込みが甘すぎるので、ものすごくあっさりしたドラマになっていて、登場人物に感情移入が出来ません。
また、パチモン作品にはよくあることですが、肝心の宿敵シャークも背びれを中心に部分的にしか出てこないので、復讐劇も一向に盛り上がらない。
オープニングの仲良し少年グループがソーセージを焼いて食べるところと、復讐を果たした仲間が満足げに浜辺を歩いていくラストシーンくらいしか印象に残りません。
そんな作品なので、当然のことながら、日本では劇場公開が見送られ、後にビデオのみ発売されました。
国内でDVDにしようなどという奇特な会社は無いと思うので、今後もメディア化されることはないでしょう。
監督は、ラフ・ドナートという人の名義になっていますが、「ゾンビ99」のジョー・ダマトです。ついでに言うと、撮影を担当したフェデリコ・スロニスコという人もジョー・ダマトです。要は、予算ケチってほとんどジョー・ダマトが掛け持ちして作った作品ということになります。
音楽は、カルロ・マリア・コルディオ。
メイン・タイトルから、景気の良いパチモン・ポリス・アクション風のスコアでニンマリ。
劇伴も、「燃えよドラゴン」の劇伴を思わせるオリエンタル風味を効かせたスコアや、トランペットソロが入るジャズファンクチューン、エレピがソロを取るグルーヴィーなスコアや、アンジェリス兄弟が好みそうな無国籍なトロピカルチューン、アコギやストリングスを使ったほのぼのとしたスコアなど、よく言えばバラエティに富んだ、悪く言えばあんまり統一感の無いスコアが雑然と並んでいます。
劇伴の中に、"Shark Jazz Band"と題したファンキーなワウギターをバックにフィーチャーしたゆったりめのビッグバンドチューンも入っています。
スコアの後半になるに従ってジャズ色が強くなる感じです。
まあ、無機質なアンダースコアはほぼ無く、ジャズ寄りのスコアなので、一応聴ける内容にはなっています😆 ただ、ジャズ色の薄いスコアは、昭和の時代劇のドラマスコア風でメロがクサいのがご愛嬌。
サントラは、公開時にイタリアでLPが発売されましたが、その後CD化されることもなく、長らくメディア化されませんでした。
ところが、なんと今年になってリマスターが施された上に、曲数まで増えた贅沢なダウンロード版が知らない間に発売されていました。全22曲56分収録です。