WILLY'S WONDERLAND
監督:ケヴィン・ルイス
音楽:エモワ
出演:ニコラス・ケイジ、エミリー・トスタ、ベス・グラント、リック・ライツ、クリス・ワーナー、カイ・カドレッツ、クリスティアン・デル・グロッソ、テレイル・ヒル
2020年 アメリカ映画

 

 

 

80年代な雰囲気を持ったヘンテコなB級ホラーコメディ。

クレジットの字体が昔のコンピューター文字風で面白い。

ストーリーは、田舎町の廃業した屋内テーマパークを舞台に、行きずりの無口な男が、

車の修理代の代わりにオーナーからパークの室内清掃を依頼されますが、

その中には殺人鬼の魂が憑依したアニマトロニクスのぬいぐるみたちがいて男に襲いかかりますが、

男は掃除をしながら手際よくぬいぐるみを一体ずつ仕留めていきます。

そこへ殺人テーマパークの正体を知りこれを燃やそうとする地元の若者も加わって・・・というお話。

全編にわたって、ニコラスケイジが一言もしゃべらない。

唯一口から出るのは、「ヤァー!」などファイトシーンの気合いぐらいです。

彼が最初から最後までしゃべり倒す「オレの獲物はビンラディン」(2016年)とは対照的です。

それにメチャクチャ強いのに、どんなバックグラウンドの男なのか彼の素性についての説明が一切ない。

劇中何が起こっても、ぬいぐるみを倒した後は、再び薄汚れたテーマパークをピカピカに清掃しはじめ、

定期的に腕時計のアラームが鳴れば、エナジードリンク1本飲んでピンボールゲームに興じるという

妙なルーティーンを繰り返すニコラス・ケイジが可笑しい。

ニコラス・ケイジって、最近はすっかりこの手のB級アクション、ホラーばかり出るようになったなあ。

これは彼の新境地か。

 

 

 

 

 

 

 

音楽は、エモワ。

これまたヘンテコな名前のアーティストですが、マルチ・インストルメンタリストで、

いろんな楽器を操る人のようです。

ショートフィルムやCM音楽の仕事が多い人のようで、長編映画の音楽は本作品と

The Accursed」(2020年)の2本ぐらいのようです。

本作品は、本編冒頭からピコピコシンセスコアでおっさん好みです。

このあたりは、Le Matosが音楽を担当した「ターボ・キッド」に雰囲気が似ています。

また、シンセスコアにマカロニウエスタン風のギターがフューチャーされていたり、

分厚いアナログシンセによるベースラインが入るスコアもあり、

かつてのジョン・カーペンターのスコアを彷彿とさせます。

さらに、シンセスコアばかりでもなく、アクションシーンでは激しいロック調のスコアも登場します。

劇中、悪役の親玉ウィリー・ザ ・ウィーゼルの声と子供向けの歌"Clap Your Hands"はエモワ自身が担当しています。

エンド・タイトルでは、メイン・タイトルに歌詞がついた主題歌も流れます。

サントラは、ダウンロード盤とLPが発売されています。