EVIL DEAD RISE
監督:リー・クローニン
音楽:スティーヴン・マッキーオン
出演:リリー・サリヴァン、アリッサ・サザーランド、モーガン・デイヴィス、ガブリエル・エコーズ、ネル・フィッシャー
2023年 アメリカ/ニュージーランド/アイスランド映画



「死霊のはらわた」シリーズの正統派続編というのか、正統派リブートというのか、よくわかりませんが、
製作にサム・ライミとブルース・キャンベルがクレジットされているので、正統派には間違いない1作。
ストーリーは、古いアパートで暮らす母子家庭の親子のところへ、放浪癖のある母の妹が訪ねてきます。
すると、大きな地震が発生し、子供たちが地下室に出来た亀裂の中に隠された別の部屋を見つけます。
子供たちは、そこで見つけた「死者の書」と音声が記録されたレコード盤を自宅に持ち帰り、
レコードを再生してしまったために死霊がよみがえり、お母さんに憑依してしまう・・・・・というお話。
これまでのシリーズを知らなくても楽しめるようになっていますが、
有名な呪文や全身をツルで縛り上げられたりといった定番のシーンは、これまでシリーズを観てきた人なら思わずニヤリでしょう。
ゴアシーンは、フェデ・アルバレス監督版(2013年)には及びませんが、結構血みどろでグロい作品となっています。
この作品、日本では劇場公開されず、ビデオスルーになっています。
せっかく、RISEとタイトルがついているのに。
ラストも助かる人はいるのですが、しっかり死霊の血を浴びているので、次があるかなあと思ったり。
恐らく、本作品を筆頭にシリーズ化も考えているのではないかと思うのですが・・・。





音楽は、スティーヴン・マッキオーン。
おっさんは、この人のスコアを聴くのは初めてですが、アイスランド出身の作曲家のようです。
本国では音楽賞もいくつか取っている人で、正統派オケスコアからアンビエントなスコアまで手掛ける
マルチ・インストルメンタリストです。
有名なところでは、デヴィッド・スーシェ主演のTVムービー「名探偵ポアロ」シリーズ(2005年)のスコアを手掛けています。
本作品のスコアは、ソリッドな音響が中心のホラースコア。
ストリングスは、キリキリと聴く者の神経を逆なでするような不穏な音を奏でます。
錆びついたドアを思い切り開けた時のような、かなりキツめでショッキングな音もあります。
メロらしいものはほぼ無いに等しく、ガラスのような硬質で冷徹な音響スコアが延々と続きます。
女性コーラスの入るスコアもありますが、美しさはなくひたすら不気味に聴こえます。
スコアの中には、「カンダ~!」で始まる有名な呪文の一節や死霊の絶叫が収録されたトラックがあり、恐怖が倍増します。
こういうの入れないで欲しいなあ、怖いから。
ただ、全体的に本スコアには個性が無いので、オリジナルの「死霊のはらわた」のスコアがいかに優れていたか、再認識する形となりました。
オリジナルのスコアは、現代音楽の手法を用いつつ、一聴しただけで「死霊のはらわた」のスコアであることがはっきりと分かる個性を持っていました。
サントラは、i-Tunesなどで全20曲73分収録のダウンロード版が入手可能です。

Amazonでは、残念ながらヒットしないので、取り扱っていないのかもしれません。