MALADOLESCENZA

監督:ピエル・ジュゼッペ・ムルジア

音楽:ピッポ・カルーソ

主演:ララ・ウェンデル、エヴァ・イオネスコマルタン・ローブ 

1977年 イタリア/フランス映画




123歳の児童を起用して撮影され、様々な物議を醸し出した70年代イタリアのソフトコアもの。

少年少女3人だけのキャストで描かれる異形の作品で、今ではカルトムービー化しています。

オリジナル版は110分を超えるようですが、過激な内容のため、日本公開版をはじめ、各国で軒並み90分以下にカットされた末に公開されたそうです。

ストーリーは、観たことがないのでよく分かりませんが、思春期を迎えた少年少女が、3人で森の中に入っていろいろやらかす・・・というお話のようです。

過激な輸入DVDの販売を巡って、日本では逮捕者まで出た曰くつきの作品。

おっさんは、若い頃から同世代の女性にしか興味が無いので、この手の作品は全く観たいとも思いませんが、一部マニアの方々には珍重されているようです。

主演の女優さんは、成長してから、子供の頃に性的な映画に出演させられたとして母親を提訴したとか。

その他、グリム童話に影響を受けたと思しき残酷な描写もあって、一部動物虐待と指摘される部分もあるようで、何かとお騒がせな作品です。

この映画、イタリア本国では児童保護の規制が厳しいからと、撮影はオーストリアで敢行されたそうです。

そこまでして撮らなければいけない作品だったのか疑問は尽きません。






音楽は、ピッポ・カルーソ。

サントラを聴いた印象ですが、全体的にアンダースコア的なものはなく、この手のソフトコア作品によくあるバロックとイージーリスニングの中間のようなスコアになっています。

メイン・タイトルは、リコーダーの演奏に続いて、テーマメロディを鼻にかかったような性別不明な「ナナ〜ナナ〜」という何だか気味の悪いスキャットが担当します。

おっさんは苦手だなあ、これ。

このメロディはモチーフとして劇伴でそこそこ登場します。

劇伴は、アコギやリコーダーによるアコースティックな雰囲気なスコアの他、キラキラのシンセによるアンジェント・ホラーみたいなスコアや、ユーロロックを思わせるプログレッシブな香りのするスリリングなスコアなど、バリエーションは豊富です。

女性コーラスが「ランラランラ、ラン」と軽やかに歌うスコアもあるのですが、テーマも含めておっさんはこういうのはやっぱり苦手だなあ。

この手の歌声は「サスペリア2」でトラウマになっているもので(^^;)

1曲だけ、何処となくモリコーネを思わせるスコアが顔を出します。

サントラは、公開時にイタリアでLPが発売されたほか、日本ではシングル盤が発売されました。

その後、イタリアのDigitmoviesレーベルから27曲に増曲したCD500枚限定で発売されました。

LPCDは今ではとんでもないプレミアが付けられていますが、18曲入りのダウンロード版が発売されていますので、このサントラがお好きな方は無駄遣いせずに済むようになっています