ASHANTI
監督:リチャード・フライシャー
音楽:マイケル・メルヴォイン
出演:マイケル・ケイン、ピーター・ユスティノフ、オマー・シャリフ、ビヴァリー・ジョンソン、ウィリアム・ホールデン、カビール・ベディ、レックス・ハリソン、ジア・モヒーディン、ウィンストン・ヌシュナ
1978年 スイス / イギリス / アメリカ映画

 

 

アシャンティ族の妻を人身売買の商人に拉致されたイギリス人医師の追跡劇を描いた作品。

スペインのベストセラー作家アルベルト・バスケス=フィゲロアの原作を映画化したものです。

ストーリーは、アフリカの部族にワクチン接種を進めるイギリス人医師が、一緒に連れていたアシャンティ族の妻を

人身売買の商人に拉致され、連れ去られてしまいます。

医師は妻を連れ戻すため、知人の助けを借りながら妻を拉致した商人の追跡を開始し、危険なサハラ砂漠に足を踏み入れる・・・・というお話。

ウィリアム、ホールデンが出てきますが、なんと早々に退場します。

強力な助っ人登場だと思いきや、これにはびっくり。

また、オマー・シャリフが出てきますが、意外にゲスな役で全然活躍せずにこれまた退場します。

この他にも名優を贅沢に使いながら、ことごとく変化球な役を演じさせています。

彼らよりも、途中から登場するカビール・ベディの方がずっと大活躍します。

この頃は、確かアフリカだと安い予算で映画が撮れるとかで、アフリカを舞台にしたイギリス映画が結構あったと思います。「ワイルド・ギース」もそんな1本だったような。

そういえば、この映画には、「ワイルド・ギース」のウィシュトン・ヌシュナが出ていました。

監督は、なんとリチャード・フライシャー。

世間では冗長で退屈な作品と言う評価もありますが、おっさんはマイケル・ケインが出ているだけで結構楽しめました。全然間延びした感じはしなかったなあ。

 

 

 

 

音楽は、マイケル・メルヴォイン。

テーマ曲は、テンポのあるイージーリスニング調の曲で、ポール・モーリアとまではいいませんが、

サントラのスコアにしては軽めな印象です。

ドラムとベースがしっかり入ったアンサンブルに、オケが乗っかったという感じのスコアです。

どこかのメロドラマのテーマ曲のようにも聴こえます。

劇伴もテーマ曲のバリエーションが多く、やっぱりメロドラマっぽい雰囲気のものが多いような印象があります。

たまに、このメロドラマ風モチーフにいささか違和感を感じることがあるのも事実。

一方で、サスペンス描写のスコアではスネアドラムを入れたミリタリー調のものもあって、

戦争映画のスコアを思わせる瞬間もあります。

その他、砂漠が舞台となっていることもあり、アラブの民族音楽が入ったり、

アラビア風の音階のスコアもあります。

劇中演奏されるアフリカ人のポリリズミックなドラム演奏がかなりかっこいいのですが、さすがにこれはサントラには未収録です。

アクションシーンのスコアになると、いきなり激しいドラムセット入りのリズミカルなスコアになるので、

他のスコアとの差が目立ちます。

クライマックスのアクションシーンでは、サイケデリックなギターも入ったフュージョン風のスコアが登場します。

最後のエンディングには、ビル・ヘンダーソンが歌う007みたいな主題歌が流れます。

作詞は有名なドン・ブラックです。

サントラは、残念ながらLPしか発売されておらず、CD化されたことはありません。

ダウンロード版ぐらい出ないかなあ。