STARFISH

監督:AT・ホワイト

音楽:AT・ホワイト

主演:ヴァージニア・ガードナー、クリスティーナ・マスターソン、エリック・ビークロフト、ナタリー・ミッチェル、石田淡朗

2018年 アメリカ映画

 

 

幻想的な映像で描く異色の青春SFムービー。

何とも言えない終わり方をするので、観客を選ぶ作品なのかなと思いますが、

「未体験ゾーンの映画たち2022」で限定上映されたところ、大反響があり話題になった作品です。

ストーリーは、親友を亡くした女性が悲しみに耐えられず、死んだ親友の家に忍び込み一晩寝ているうちに、街から人がいなくなり、突然現れた異様な生命体に襲われそうになります。

たまたま手元にあったトランシーバーから、妙な信号音と男性の声が聞こえ、怪物はその音を嫌がり逃げていきます。

男性が言うには、人がいなくなったり、怪物が出現したのはある信号が絡んでいるといいます。

その信号の謎を解く鍵を死んだ親友が握っていたらしいとのこと。

女性は親友が残したカセットテープにその鍵があるとみて信号の謎を追う・・・というお話。

監督は、本作品で得られた収益を全て癌研究に寄付したそうです。

監督本人はこの映画を「自伝的で感傷的な作品だ」と語っているそうです。

途中で唐突にアニメになったりしますが、これは手塚プロダクションの製作だそうです。

まともにセリフがあるキャストは4人ぐらい。

独特の浮遊感のある作品で、「ゴースト・ストーリー」あたりにもなんとなく雰囲気が似ています。

難解な部分も多く、解釈を観客に委ねるタイプの作品ですので、見終わった後、いろいろ考えてしまう作品です。

 

 

 

 

音楽は、監督のAT・ホワイトが自分で手がけています。

SFですが、スコアは基本アコースティックで、シンプルな室内楽という印象のスコアです。

ピアノ、バイオリン、チェロがメインスコアなので、マイナーなミニマルミュージックの趣を感じます。

そんな中に、ごくたまに突然ストリングスのヒステリックな音が入ったり、スコアが逆回しになったり、エレクトリックな要素もあります。

モチーフとしては明快なメロディがあるわけではないですが、シンプルながら印象に残るフレーズがいくつかあって、これがモチーフになっています。

スコア以外に歌モノが何曲も流れますが、これが地味なスコアを補う形で挿入されます。

クライマックスに流れるキン◯マが抜かれたような声の男性ボーカルが印象的な歌ものは、シガー・ロスに雰囲気が似てるなあと思ったら、やっぱりシガー・ロスだった 笑。

その他にも、スパークルホース、グランダディ、65daysofstaticなどの曲が劇中に流れます。

サントラは、ダウンロード版の他に、輸入盤のBlu-ray(英語字幕有り・日本語字幕なし)にサントラCDが付属したバージョンがあります。