SESSION 9
監督:ブラッド・アンダーソン
音楽:クライマックス・ゴールデン・ツインズ
出演:デヴィッド・カルーソー、スティーヴン・ジェヴェドン、ポール・ギルフォイル、ジョシュ・ルーカス、ピーター・ミュラン、ブレンダン・セクストン三世
2001年 アメリカ映画

 

実在の精神病院跡地を舞台に、その中で繰り広げられるホラー・サスペンス。

監督は、「アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち」のブラッド・アンダーソン。

上記作品から遡ること13年前にも既に精神病院ものを扱ってます。

ストーリーは、今は廃墟となっているダンバース州立精神病院を公共施設に改修するため、

5人の作業員がアスベスト除去作業にやってきます。本来23週間かかる作業を

1週間でやると請け負ってしまった作業員たちは、過酷な労働の中でかつて病院で行われた

数々の虐待や実験の跡を目の当たりにし、次第に精神的に追い詰められていく・・・というお話。

地味で淡々とした語り口の作品なので、眠くなる人がいるかもしれませんが、

おっさんは結構怖かった記憶があります。

ゴーストが出てきて人を襲うような派手なシーンはありませんが、

何か背筋が寒くなるような不気味な雰囲気があり、観る者の想像力が試される作品かなと思います。

「セッション9」の「セッション」というのは、病院の中で作業員が見つける

治療中の患者とのやり取りを録音したテープのタイトルのことです。

「セッション1」から始まって、「セッション9」が最後のテープというわけです。

 

 

 

 

 

 

 

音楽は、シアトルを拠点に活動する実験音楽デュオ、クライマックス・ゴールデン・ツインズ。

スコアは、一言で言うとエクスペリメンタルなダーク・アンビエント・ミュージック。  

コラージュやミュージック・コンクレート、インプロビゼーションが交錯するアヴァンギャルドなスコアです。

当然、メロらしいものはありません。

たまに挿入されるピアノの短音やソリッドな音響を聴くとホッとする感じです。

曲によっては、終始モワ〜ンとした単調なノイズが続くだけのスコアも多く、

人によっては聴いていてキツいかも知れませんが、

この手のエクスペリメンタルな音楽が好きな人にはウケると思います。

ちょうど「ツイン・ピークス」で意味不明な映像が続くときのバックに流れる音楽に似ている

と言えばイメージがつかめていただけるでしょうか。

彼らのオリジナルアルバムの方は、もっとインパクトのある楽器や音を使っているので、

相変わらずメロは薄いですが幾分聴きやすいサウンドになっていて、

このスコアのように出口の見えないトンネルの中を延々と歩かされているような閉塞感はありません笑笑。

サントラは、CDとダウンロード版の2種類が発売されています。