DON'T BREATHE 2
監督:ロド・サヤゲス
音楽:ロケ・バニョス
出演:スティーヴン・ラング、ブレンダン・セクストン三世、マデリン・グレイス、クリスティアン・サギア
2021年 アメリカ映画


前作がヒットしたことから、8年後を舞台にした続編が登場。

前作の悪役が、まさかの主役に変身しています。
ストーリーは、前作で家に押し入ってきた強盗を返り討ちにした盲目の元特殊部隊の老人が、
今では一人の少女を娘として育てています。
ある日、屈強な武装集団が老人宅に押し入りますが、目的は金銭ではなく少女で、
老人の必至の抵抗も空しく、少女は連れ去られてしまいます。
武装集団は、少女を実の両親のもとへ返しますが、その裏には隠された秘密があった・・・・というお話。

少女は老人のことをパパと呼ぶし、本編冒頭は老人と少女が平和に暮らすシーンが流れるので、なんだか調子が狂っちゃう。

最初、まさか前作のスポイトで誰かを妊娠させたのかと、一瞬恐れおののきましたが違ってました。

今回は、立場が逆転した形で、相手の武装集団も元兵士たちで強いところがミソ。

他人の娘をかっさらって育てている老人が絶対悪人だろうと思っていると、なんか途中から様子が違ってきます。

この老人は目が見えない設定なので、少女が車で連れ去られてしまったらもう追いかけるすべもないし、そこで映画が終了してしまうんじゃないかと思っていたら、なかなか賢い方法で少女の行き先を突き止めます。

なるほど、その手があったか。

 

 

 

音楽は、ロケ・バニョス

前作もそうだったのですが、ポストロックを思わせる透明感のある空気のようなスコアや、

チェロのソロで不気味なフレーズを奏でるスコアなど、

明快なモチーフはありませんが、存在感のあるアンダースコアを提供しています。

アクションシーンには、シーケンスパターンがボトムを固める

スリリングなハイブリッド系スコアが付けられています。

本編前半は不気味なスコアや透明感のあるヒーリングっぽいスコアが中心ですが、

後半のアクションシーンで激しめのスコアが登場します。

ラストでようやくメロディアスかつリリカルなスコアが出てきて、

それまで殺伐としたスコアが続いた後なので妙にホッとします。

そして、エンドタイトルではハードエッジなラウドロック系のインストが流れます。

これがなかなか良い出来のスコアで、かなり重いリフが入るので、

案外メタルファンにも受けるんじゃないかと思われるカッコいいロック寄りのナンバーです。

サントラは、ダウンロード版が発売されています。