DJANGO IL BASTARDO
監督:セルジオ・ガローネ
音楽:ヴァスコ&マンキューゾ
出演:アンソニー・ステファン、ルチアーノ・ロッシ、ラーダ・ラシモフ、パオロ・ゴスリーノ、ジャン・ルイス、ヴィクトリアーノ・ガザーラ、エットーレ・アレーナ
1969年 イタリア映画

 

 


今日は、マカロニ・ウエスタン後期の本邦劇場未公開作品をご紹介。

ストーリーは、そんなに大したことなくて、死んだはずのジャンゴが裏切り者の悪党たちの前に現れ、

あらかじめジャンゴが用意した墓標に刻まれた名前のとおり、

一人また一人と血祭にあげていく・・・というお話。

本家フランコ・ネロのジャンゴとは全く関係がありませんが、格好はモロにジャンゴです。

ギラギラしたフランコ・ネロに比べるとアンソニー・ステファンのマスクはちょっと情けない感じもします😅

死んだはずのジャンゴが裏切り者を追い詰めると言う設定は、

なんとなく「荒野のストレンジャー」を彷彿とさせます。

ジャンゴは決して焦らず、ゆっくりと確実にターゲットに迫り、とどめを指していきます。

血祭りに上げられた悪党が、十字架を背負わされて馬に乗って街に戻ってくるシーンが斬新。

しかし、静かな無言のシーンが割と多いので、途中で何度も寝落ちしそうになります。

特に120の隠れんぼしながらの決闘は、意図的に上映時間稼ぎをしているような感じさえ受けます。

正直なところ、ストーリーに起伏がないので、寝転がって観ると絶対寝ます😅

 

 

 

音楽は、ヴァスコ&マンキューゾこと、ヴァジリ・コジュチャロフとエルシオ・マンキューゾ。

「戦場のガンマン」や「三人の無法者」などのスコアも手掛けているコンビです。

テーマ曲は、バッキングの演奏がなんとなく007に似ていて、セクシーな女性の声で「ジャンゴ~」と囁いたりして、

何だかマカロニというよりもパチモンスパイ映画みたいなサスペンスチューンです。

これがなかなかカッコいい。

そこへ哀愁のトランペットによる熱いソロや、エッダのようなソプラノまで出てきて、

マカロニの美味しいエッセンスを振りかけたような曲になっています。

劇伴のモチーフで、ちょっとミステリアスで時代劇風なフレーズが何度も登場し、頭に刷り込まれます。

その他、ギターが主旋律を奏でる爽やかなチューンがあったり、かっこいいトランペットをフィーチャーしたスコアなど、そこそこ聴かせる内容になっています。

しかし、ホラーっぽい不気味な劇伴のバックには、おっさんの嫌いなオルガンが入ってきます。

いつ聴いてもおっさんはこの音が苦手です。

南北戦争の回想シーンでは、ミリタリー調のスネアが小気味よく鳴るスコアが登場し、

ラストの決闘シーンでは、お約束のマカロニ節が炸裂します。

のっぺりした本編に比べて、スコアの方は起伏に富んだ充実した内容になっています。

サントラは、CDとダウンロード版が入手可能です。