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監督:タイ・ウェスト
音楽:タイラー・ベイツ、チェルシー・ウォルフ
出演:ミア・ゴス、ジェナ・オルテガ、マーティン・ヘンダーソン、ブリタニー・スノウ、オーウェン・キャンベル、スティーヴン・ユール、スコット・メスカディ
2022年 アメリカ映画

 

1979年のテキサスが舞台のタイ・ウエスト監督によるスラッシャーホラー。

ストーリーは、中西部の田舎の一軒家を借りて、インディーズのアダルト映画を撮影しようとやってきた6人の男女が、次々と持ち主の老夫婦の餌食となっていく・・・というお話。

この作品は、三部作のうちの第1弾だそうです。

次回作は、本作品のもう1人の主役ともいえる殺人鬼ばあさんの若い頃を描いた前日譚「Pearl」という映画だそうです(Pearlというのは、このおばあさんの名前)。

ヒロインたちが乗ってる車のカーラジオにSANYOの表記が・・・懐かしい。

ちなみにこの手の映画を見ていると、アメリカの中西部の田舎には人を殺してどっかに隠してるアブナい家がいっぱいあるんじゃ無いかという誤ったイメージが定着してしまいそうになります。玄関のシーンは悪魔のいけにえ風のアングルだし、悪魔の沼を想起させるシーンもあって、70年代ホラーへのオマージュも感じられます。

ヒロインが沼で泳いでいる時、水に浮かぶヒロインと迫り来るワニを、

空からの俯瞰映像で捉えた面白いショットが出てきます。

Netflixの「ウエンズデー」でブレイクしたジェナ・オルテガも出ています。

ヒロインのミア・ゴスの一人二役は最初分かりませんでした。

タイ・ウエスト監督は、B級ホラーが多い人ですが割と好きな監督です。

 

 

 

 

音楽はタイラー・ベイツとチェルシー・ウルフ。

全編に渡って女性の悩ましい声や囁き声、悲鳴の様な声がバックに入っていて、

視聴には場所を選ぶ作品となっています。スピーカーからは流さない方が無難だと思います😅 

そんな声が随所に挿入されているので、エロいシーンが満載で、

その上女性が拷問されるSM映画なんじゃないかと誤解しそうですが、エロいシーンはあるものの、

女性が拷問されるようなことはありません。

スコアを聴いていくと、本編を観ている時は気付かなかった曲が結構あります。

70年代の歌モノが結構流れるのでそれらのインストパートかと思ったら、オリジナルのスコアだったりします。

これらはなかなかよく出来たレアグルーヴなトラックで、既存のバンドの演奏かと錯覚してしまいます。

本編オープニングには、女性の不気味なスキャットが入り、のっけから不穏な空気が醸し出されます。

遠くで金属が擦りあっているような生活音風のインダストリアルスコアなど、

雰囲気重視の空気のようなスコアも多くモチーフらしいものはありません。

サントラは、スコアのダウンロード版が発売されていて、エンド・タイトルに流れる

ロバート・パーマの"Bad Case Of Loving You"をはじめ、劇中挿入された歌モノはほとんど収録されておらず、

アコギをバックにチェルシー・ウルフが歌う歌1曲のみ収録されています。