PRISON
監督:レニー・ハーリン
音楽:リチャード・バンド、クリストファー・L・ストーン
出演:ヴィゴ・モーテンセン、レイン・スミス、チェルシー・フィールド、アンドレ・ド・シールズ、リンカーン・キルパトリック、トム・エヴェレット、タイニー・リスター・Jr、スティーヴン・E・リトル
1987年 アメリカ映画

監獄を舞台にした80年代後期のサイキックホラー。
ストーリーは、長期間閉鎖されていた刑務所が再稼働されることになりますが、
その場所はかつて無実の罪で処刑された男の怨念が渦巻いており、
再開から程なくして刑務所で次々と奇怪な事件が発生し、遂には死者まで出す事態に発展する・・・・というお話。

怨霊が引き起こす数々の超常現象の破壊力がすごい。
若き日のヴィゴ・モーテンセンがイケメンの囚人役で主人公を演じてます。
監督は、後に「ダイ・ハード2」や「クリフハンガー」で一躍有名になったレニー・ハーリン。
製作を手掛けたチャールズ・バンド率いるエンパイア・ピクチャーズは、この翌年に財政難から倒産してしまい、

同じ年にチャールズ・バンドはフルムーン・ピクチャーズを立ち上げるのでした。
ラストに唐突に姿を現す怨霊の凄まじいパワーには圧倒されます。

ネタバレになるので詳しくは説明しませんが、勧善懲悪型の終わり方にカタルシスすら感じます。



 

音楽は、リチャード・バンドとクリストファー・L・ストーン。

メインタイトルのバッグに「カンカ、カンカ、カンカ・・・」というシャッフルのリズムの

固い音がS.E.のように入っています。

この音は監獄の扉を開く時の音をイメージしてるのかなあ。

ピーター・ガブリエルの4枚目のアルバムの1曲”Rhythm Of The Heat”のバックに

同じようなリズムのパーカス音が入っているのですが、初めてビデオで鑑賞した当時は、

これピーター・ガブリエルのパクリじゃんと思ったものです。

明快なモチーフはありませんが、ホラーにしてはかなりパワフルなスコアです。

監獄ホラーなのに、時々ミリタリー調になったり、まるでアクション映画スコアのようなスケール感を持っています。
サスペンス描写は、割とオーソドックスな表現になっていて、

掻きむしるようなストリングスや、時折入るショッキングな音で聴く者の不安を煽るようなスコアです。
ここでも、例の「カンカ、カンカ、カンカ・・・」がアクセントになっています。

サントラは、公開時にLPが発売されたほか、割と人気がある盤のようでこれまでに2回CD化されています。

一度目が2011年に米IntradaからLPと同内容のものが1000枚限定で発売され、

2度目が2021年に米Draon's Domainレーベルから500枚限定で発売されました。

現在では、CDと同内容のダウンロード版が入手可能です。