ZACK SNYDER'S JUSTICE LEAGUE
監督:ザック・スナイダー
音楽:トム・ホルケンバーグ
出演:ベン・アフレック、ヘンリー・カヴィル、ガル・ガドット、エズラ・ミラー、ジェイソン・モモア、レイ・フィッシャー、ジェレミー・アイアンズ、ダイアン・レイン、コニー・ニールセン、J・K・シモンズ、アンバー・ハード、ウィレム・デフォー、ジャレッド・レト
2021年 アメリカ映画


家族の不幸で途中降板したザック・スナイダー監督が、ファンの要望に応えて
劇場公開を前提としない形で製作した4時間を超える超大作。
劇場公開版は、マーベル映画でお馴染みのジョス・ウェドンが後を継ぎ、
2時間枠にコンパクトにまとめたものが公開されていますが、どうしても説明不足なところがあったり、
ワンダー・ウーマンがおどけてみせる表情をしたり、変にマーベル調のコミカルな演出があって、
何となく違和感を覚えていたので、このバージョンには期待していました。
本編が4時間超えなので、なかなか鑑賞することができなかったのですが、年末年始でようやく観ることができました。
ストーリーは、基本的には劇場版と同じなのですが、それぞれのキャラクターごとのドラマが充実していて、

全体的に深みがグッと増しています。

特に「サイボーグ」に関するエピソードは大幅に増えていて、ほとんど主役級の描かれ方をしています。

全体のトーンもDCものらしくダークで落ち着いたものになっていて、

コミカルな役回りをするのはフラッシュぐらいです。

アクションシーンではスナイダー監督らしく、
色調を抑えて、かつスローモーションを多用した描写があちこちに挿入され、
ワンダー・ウーマンの故郷でのステッペンウルフたちと戦いなどは「300」を彷彿とさせました。
 ジャレッド・レトのジョーカーも意外なところで出てくるし、ステッペンウルフの上にダークサイドという大ボスがいるのも劇場版にはなかった気がします。

ただ、CGが多用されているので、ステッペンウルフ以下の敵キャラがディセプティコンに見えなくもないのが玉に傷。

見応え十分の作品で、4時間があっという間に過ぎてしまいます。

続編を予感させる終わり方をしますが、残念ながら今のところその予定はないようです。

 

 

 

 

 

音楽は、トム・ホルケンボルフ

劇場版のダニー・エルフマンのスコアもなかなか良かったのですが、

ジャンキーXLことトム・ホルケンボルフのスコアはさらにその上をいっていました。

テクノ出身のアーティストだけあって、スリリングなテクノ調のトラックもあり、ノリが良いスコアが多い印象です。

ヘビー・ロックとインダストリアルと掛け合わせたようなインストロックなスコアはかなりカッコいい。

アマゾンとステッペンウルフ軍団とのバトルシーンでは、「300」を彷彿とさせるバーバリズム全開の

ドコドコのパーカションスコアが登場します。

特筆すべきは、ハンス・ジマー版の「バットマン」、「マン・オブ・スティール」、「ワンダー・ウーマン」のモチーフが全部出てくること。特に、「マン・オブ・スティール」のモチーフは本編の後半でしっかりと演奏され、

その使い方も心を揺さぶるようなシーンで効果的に使用されていて素晴らしい。

アメフトのシーンやスーパーマン登場以降のシーンなど、ヒロイックなスコアが登場する場面も多く、

クライマックスの大バトルシーンでは「燃え」系スコアが目白押しになります。

ダニー・エルフマン版もおっさんのお気に入りスコアなのですが、

両者を比べるとやはりトム・ホルケンボルフ版の方が上かなと思います。

エンド・タイトルでは、長めのピアノ・ソロから始まるアリソン・クロウの歌が流れます。

サントラは、4時間超えの作品なのでダウンロード版しかないのですが、

54曲3時間54分たっぷり収録されたダウンロード版が入手可能です。