AFYON OPPIO
監督:フェルディナンド・バルディ
音楽:グイド&マウリツィオ・デ・アンジェリス
出演:ベン・ギャザラ、シルヴィア・モンティ、ファウスト・トッツィ、ステファン・ザカリアス、ルチアーノ・カテナッチ、マリオ・ピラール、ホセ・グレチ、マリサ・ロンゴ、ルチアーノ・ロッシ
1978年 イタリア映画


70年代パチモン「フレンチ・コネクション」の中の1本。
主演にベン・ギャザラを迎え、アメリカ映画と勘違いして観てしまう客層を狙っていますが、
他のキャストは全員イタリア人です。
ストーリーは、麻薬シンジケートの壊滅を狙うニューヨーク警察が、
なぜかトルコやシシリー島におとり捜査員を派遣してシンジケートに潜り込ませ、
ニューヨークでの取引現場を押さえて、組織を一網打尽にしようとする・・・みたいなお話。
まあ、この際ストーリーはたいしてどうでもいいのでしょうが、
「皆殺しのジャンゴ」のフェルディナンド・バルディ監督のそつのない演出に助けられ、
そこそこ観れる作品に仕上がっています。
しかし、パチモンは劇場公開作品の邦題やビデオタイトルに「シシリアン」がつく作品が多く、
おっさんもどれがどれだかよく分からなくなることがあります。
「シシリアンボス」とか「シシリアン・マフィア」とか。


音楽は、パチモンスコア界のピンカラ兄弟、グイド&マウリツィオ・デ・アンジェリス。
この兄弟、自分たちでオリヴァー・オニオンズを名乗って歌も歌っていて、
「アラン・ドロンのゾロ」が一番有名なのですが、
本作品でもソフト・ロックとカンツォーネとカントリーが混ざったような主題歌を書き下ろして歌っています。
とはいえ、そんなに悪くないので良しとしましょう。
劇伴は、例によって器用で引き出しの多い兄弟のことですので、バリエーションに富んだ内容になっていて、
イタリアン・プログレにジェスロ・タルみたいなフルートが吠えるものや、
リコーダーがリードを取る中世の道化師を思わせるコミカルなトラック、
フランコ・ミカリッツィばりのジャズ・ファンクチューン。
アコースティックギターとバンジョー、ハーモニカによる爽やか系ウエスタン調のトラックなど、
全体的にアコースティックで聴きやすいものが多く、
意外な拾い物感のあるスコアとなっています。
サントラは、公開当時にイタリアでLPが発売され、
その後ドイツのパチモン専門レーベル「Chris' Soundtrack Corner」から2曲増曲したCDが発売されています。
そして、現在ではLPと同内容のダウンロード版が入手可能です。