BERSAGLIO MOBILE
監督:セルジオ・コルブッチ
音楽:イヴァン・ヴァンドール
出演:タイ・ハーディン、マイケル・レニー、グラツィエラ・グラナータ、パオラ・ピタゴラ、ヴィットリオ・カプリオーリ、ゴードン・ミッチェル、ヴァシリ・カリス
1967年 イタリア映画


もういい加減うんざりしていらっしゃる方もおられると思いますが、
今年のGWは「パチモン祭り」なんだと諦めていただいて、お付き合いをお願いします(^_^;)
(最近は、こういう時でないとパチモンをゆっくり紹介する時間が取れないもので・・・笑)

タイ・ハーディンが主演した、もう一つのマカロニ・アクション映画。
ストーリーは、名うての泥棒として知られる男が、収監される途中に隙を見て手錠のまま逃走を図ります。
逃走は成功しますが、間もなく謎の組織に捕らえられ、
刑務所の死体置き場から義歯を1本盗んでくるよう無理やり命じられます。
男は約束通り手際よく義歯を盗み出しますが、
何故か組織が放った殺し屋、警察、諜報部員などに追われる羽目になる・・・・というお話。
チラシには、「ヒッチコックばりの白昼の恐怖」とか「伊映画得意の派手なアクション」と書かれています。
残念なことに、本作品は日本ではビデオにもDVDにもなっていません。
監督は「続・荒野の用心棒」で知られるセルジオ・コルブッチ。

さすが、コルブッチがメガホンを取ると、パチモンのわりにアクションにキレが出ます。
パチモンですが、マイケル・レニーやゴードン・ミッチェルといった馴染みのある役者も出演してます。
それにしても、拳銃の発射音がマカロニ・ウエスタンと同じというのはちょっと・・・笑。




音楽は、イヴァン・ヴァンドール。
この人は、あまりサントラに恵まれない人という勝手な印象があるのですが、
「情無用のジャンゴ」もサントラ出てないし、
「悲しみは星影と共に」などの名スコアで知られる人なので、
是非今後も過去の音源が発掘されることを期待します。
本作品は、硬派なビッグバンド・ジャズをベースとしたスコアで、
オープニングタイトルからドスの効いた低音域を強調した骨太で熱いブラスが活躍します。
劇中、アクションシーンではこのフレーズが何度も登場し脳裏に焼き付きます。
ナイトクラブのBGMもブラスとビブラフォンによるジャズ。
ギリシャの遺跡のシーンでは、ブズーキを使った民族音楽風のスコアを提供するなど、芸が細かい。
しかし、マカロニ王国の血は争えないのか、どうしても不穏な雰囲気のスコアには、
ベンベンのマカロニギターが顔を出し、マカロニ・ウエスタンを想起してしまいます
サントラは、公開当時には発売されず、過去にコンピレーションに収録されたことはあるようですが、
単独のアルバムは、2021年になってようやく伊DigitmoviesレーベルからCDが発売されました。
限定300枚なのですが、まだ入手可能なようです。
残念ながらダウンロード版は無いようです。