SBIRRO, LA TUA LEGGE E LENTA...LA MIA...NO!
監督:ステルヴィオ・マッシ
音楽:ステルヴィオ・チプリアーニ
出演:マリオ・メロラ、マウリツィオ・メルリ、カルメン・スカルピッタ、マッシモ・ダポルト、フランシスコ・ラバル、ナンド・マリネオ
1979年 イタリア映画



70年代のマカロニ犯罪ドラマで知られるステルヴィオ・マッシ監督が、
マカロニ刑事役者マウリツィオ・メルリを主演に起用してお贈りするパチモン・クライムサスペンス。
マウリツィオ・メルリって刑事役が多いので、主演した作品はどれがどれだか分からなくなるので困ったものです。
ストーリーは、連続殺人事件を追ってパリから敏腕刑事がミラノにやってきます。
当初はマフィアの犯行かと思われた事件が、実は刑事の甥が絡んでおり、
その甥は麻薬組織とつながっていた・・・というお話。
黒幕を追ううちに刑事とマフィアのボスとの間に奇妙な友情が芽生えるところや
一体黒幕は誰なのか、というところがミソなんでしょうが、
ビデオのパッケージに記載された「血で血を洗う地獄の抗争」「アクションとスリルに思わず息をのむマフィア映画の決定版!!」
というのは明らかに言いすぎでしょう笑。
この手のマカロニ・クライムサスペンスは、ヘンテコな会社からVHSビデオが発売されることが多かったのですが、
一応SHV松竹ホームビデオから発売されていました。
ちなみに監督のステルヴィオ・マッシは、「さすらいの一匹狼」、「情無用のならず者」などのマカロニ・ウエスタンでは
撮影監督を務めていました。



音楽は、ステリヴィオ・チプリアーニ。
テーマ曲は、爽やかなんだけどプニョプニョな音のシンセがやけに目立つコマーシャルなスコア。
メロはこの人にしては中途半端ですが、軽やかなアレンジがされているので、大変聴きやすい。
劇伴は、テーマ曲のモチーフをボサノバ風にアレンジしたものや、
悲し気なメロにアレンジしたピアノ曲、
ディスコとロックを掛け合わせたようなビートの効いたトラックをバックにサックスが適当にソロを回すスコア、
チェンバロがサスペンスフルなメロを奏でるトラックなど、
さすが巨匠、そつのないメロディアスな楽曲の数々を提供しています。
サスペンスフルなスコアすらメロディアスなので、
本編を観ていなくてもサントラだけで十分鑑賞に堪える内容です。
サントラは、公開時には発売されず、2008年になって、伊Digitmoviesレーベルから、
未公開映画「Poliziotto Senza Paura」とのカップリングで蔵出し音源がCD化されました。
このCDには、本作品から10曲が収録されていました。このアルバムは現在ではダウンロード版も発売されています。
その後、2020年になって、同じDigitmoviesレーベルから本作品単独でCDとLPが発売されましたが、
上記10曲にボーナストラックが3曲追加されただけの盤で、32分しか収録されておらず、
これなら、2008年のカップリング盤を持っていれば十分ではないかと思ったりして・・・・。