LE TOUBIB
監督:ピエール・グラニエ=ドフェール
音楽:フィリップ・サルド
出演:アラン・ドロン、ヴェロニク・ジャノー、ベルナール・ジロドー、フランシーヌ・ベルジェ、カトリーヌ・ラシェン、ミシェル・オークレール
1979年 フランス映画
第三次世界大戦が勃発した未来の世界を舞台に、負傷兵の治療にあたる軍医たちの姿を描く近未来SF戦争映画。
ストーリーは、東西の均衡が破れ、第三次世界大戦に突入したヨーロッパを舞台に、
負傷兵が次々と運び込まれる野戦病院で治療にあたる軍医が、治療に忙殺される中で美しい看護師と出会い、お互いに惹かれあっていく・・・・というお話。
アラン・ドロンが軍医役、歌手でもあるヴェロニク・ジャノーが看護師役を演じています。
戦闘シーンはあんまり無かったような記憶があるのですが、
剃刀の刃のような鋭利な金属を巻き散らす「シャーク」と呼ばれる非人道的な大量殺戮兵器が登場し、
この兵器が本編である意味重要な役割を担います。
一応、近未来の戦争を描いた映画なのですが、
傷ついた兵士の描写など、暗く陰鬱なシーンが多くてちょっと気が滅入ります。
そんな中で、主人公とヒロインとの恋の行方が描かれていくのですが、
ラストは・・・・鑑賞後、しばらく茫然自失すること必至です。
音楽は、フィリップ・サルド。
暗い反戦映画なので、スコアもミリタリー調のものを期待してはいけません。
美しくも悲しげなトーンのスコアが主流で、パンチの効いたアクションスコアはありません。
メインとなるモチーフは、ストリングスが奏でる単純なメロディですが、
劇伴で何度となく登場するのでそこそこ印象に残ります。
全体的に穏やかなストリングス系のスコアで構成されていますが、
チェロがリードを取るスコアはちょっとドスが利いていて異色な存在。
こういうチェロの使い方って珍しい気がする。
サントラは、公開当時には発売されず、アラン・ドロン作品集などにテーマ曲が収録されることはありましたが、スコアとしては未発売でした。
その後、2019年になって、フランスのMusicboxレーベルから、
「暗黒街のふたり」(1973)、「帰らざる夜明け」(1971)とのカップリング仕様のCDが限定1000枚で発売されています。
現在では、本作品単独のダウンロード版も入手可能です。