THE SHINING
監督:スタンリー・キューブリック
音楽:ウェンディ・カーロス
出演:ジャック・ニコルソン、シェリー・デュヴァル、ダニー・ロイド、スキャットマン・クローザース、バリー・ネルソン、フィリップ・ストーン、ジョー・ターケル、アン・ジャクソン
1980年 イギリス映画


スティーヴン・キングの原作をスタンリー・キューブリック監督が独自の解釈で映像化したホラー。
原作は、まとも読んだことがないのですが、上下巻にわたる長編です。
映画では、タイトルにもなっている息子が持つ超能力が生かされていません。
霊感が強くて、見えないものが見える程度だったような気がします。
おっさんが観たのは119分版なのですが、北米版は140分ぐらいあるようです。
ストーリーは、豪雪により冬の間は閉鎖されるホテルの管理人として、作家を目指す失業中の男が家族とともにやってきます。
しかし、そのホテルは、過去に別の管理人が家族を惨殺したといういわくつきの物件で、作家志望のおっさんも次第に常軌を逸していく・・・というお話。
キューブリック監督ならではの凝った映像が堪能できる作品です。
オープニングの空撮による俯瞰映像や、子供がおもちゃの車に乗って疾走するステディカムカメラの映像等が楽しめます。
でも、初鑑賞時には、ジャック・ニコルソンの怪演とクソ怖いサウンドトラックのせいで、怖くてそれどころではありませんでした。
作家志望の普通のおっさんが徐々に常軌を逸していく過程が恐ろしい。
ジャック・ニコルソンは、普通にしててもヤバい雰囲気があるのですが、
狂った演技をさせるととんでもなく怖い。
ついでに悲鳴を上げるシェリー・デュバルの表情も怖かった。

2019年には、同じキング原作による続編「ドクター・スリープ」が公開されています。

 

 

 

 

 

音楽は、ウェンディ・カーロス。

ウェンディ・カーロスが手掛けてサントラに収録されたのは、ベルリオーズの幻想交響曲第5楽章をアレンジした、

クソ怖いメイン・タイトルともう1曲のみ。

もう1曲の劇伴の方は、ホラー・スコアにしてはそんなに怖くなく、実験的な音ではありますが、

70年代のタンジェリン・ドリームあたりをを思わせる野太いシンセが案外と耳に心地良い。

その他は、ペンデレツキ、バルトーク、リゲッティといった現代音楽の既成曲からのセレクトと、Henry Hall And The Gleneagles Hotel Bandの演奏が1曲という内容になっています。

この現代音楽のセレクトが結構恐怖感を盛り上げてくれます。

もともと、ホラーのために作られた訳ではないのですが、無調音楽はやっぱり怖い。

ペンデレツキに至っては、キューブリック監督自身が最初は作曲をオファーしたそうです。

本編では他にも使用された楽曲がいくつもあるのですが、残念ながらサントラのセレクトから漏れています。

中には比較的重要な場面で使用された楽曲もあり、サントラとしては「あれが入っていない、これが入っていない」といった、

痒いところになかなか手が届かないちょっぴり残念なアルバムとなっています。

ちなみに、このサントラは既成曲を寄せ集めたため権利関係が難しいのか、

オフィシャルでは未だにCD化されたことがありません。

ブートが存在しますが、なかなか入手は難しいと思います。

ちなみに、ウェンディ・カーロスが手掛けたスコア2曲のみであれば、ダウンロードで入手可能です。