DAGON
監督:スチュアート・ゴードン
音楽:カルレス・カセス
出演:フランシスコ・ラバル、エズラ・ゴッデン、ラクエル・メロノ、マカレナ・ゴメス、ブレンダン・プライス、ビルギット・ボーファラル、フェラン・ラオス
2001年 スペイン映画

 

 

 

「ゾンバイオ/死霊のしたたり」のブライアン・ユズナ製作、スチュワート・ゴードン監督のコンビによるラヴクラフトもの。

ストーリーは、4人の男女がヨットでクルーズを楽しんでいると、

突然の嵐でヨットが座礁し、1人の女性が足を挟まれてヨットから抜け出せなくなります。

座礁地点から見える海岸の漁村に助けを求めて、男女2人が手漕ぎボートで上陸しますが、

村には誰もいません。

あちこち探す中で一軒の教会を見つけたことから、2人が中に入ってみると・・・・というお話。

あまり知られていない小粒なホラーですが、全編を覆うダークで不気味な雰囲気といい、ラブクラフトものの中ではわりと成功した部類に入るのではないかと思います。

H・P・ラブクラフトの「インスマウス」がベースになっています。

スペインで撮影、製作された作品ですが、ゴアシーンも結構気合が入っています。

でも、「恐怖の報酬」などで知られる名優フランシスコ・ラバルの扱いが酷くてかわいそう。

半裸で縛り上げられた上に顔を剥がれて殺されてしまいます。

これが遺作になったとは。

ゴードン監督作品にはお約束のおぱいも、2人分出てきます。

 

 

音楽は、カルレス・カセス。

作曲家もスペインの人を使っています。

ハリウッドスコアの影響を受けていないオールドスタイルの幻想的なスコアです。

不穏な空気を醸し出すホラースコアで、終始バックにホラーな混成コーラスが入っています。

アフリカンなシャッフルのリズムが太古の儀式を連想させる、民族音楽系の打楽器と呪術的コーラスを使ったスコアもあります。 

さらに、ケルトっぽいリコーダーを使った魔訶不思議なスコアも登場します。

教会破壊シーンを始めとする、わりとスペクタクルなシーンに流れる悪魔的コーラスとやや大袈裟なオケも雰囲気満点です。 

クライマックスではオケをかなり鳴らします。

サントラは、スペインで限定盤CDが発売されたほか、2013年にKronosレーベルから

未公開映画「The Ungdly」(2007)とのカップリング仕様の再録音盤が500枚限定で発売されています。

現在では、ちょっと入手は難しいかもしれません。