DIE SCHLANGENGRUBE UND DAS PENDEL

監督:ハラルト・ラインル

音楽:ペーター・トーマス

主演:クリストファー・リー、レックス・パーカー、カリン・ドール、カリン・ドール、カール・ラング、ウラジミール・メーダー

1967年 西ドイツ映画 



ドラキュラ役にクリストファー・リーを招いて製作されたドイツ製のサスペンス・ホラー。

「ドラキュラ」と邦題がついていますが、リーが演じる伯爵は殺人鬼ですがドラキュラではありません。

ストーリーは、18世紀の古城を舞台に、永遠の命を得ようと12人もの女性を殺害した伯爵が処刑されます。その数十年後、伯爵の処刑に携わった人々の子孫が古城に招かれますが、死んだはずの伯爵が復活し復讐の機会をうかがっていた・・・というお話。

監督は、ジャーマン・ウエスタン「酋長ウィネットー」シリーズを手がけたハラルト・ラインル。

原作は、エドガー・アラン・ポーの短編「落とし穴と振り子」らしいのですが、原作との共通点は「落とし穴」ぐらいでほぼ関連はありません。殺人鬼の伯爵も出てこなし。

でも、不気味な古城などのビジュアルは雰囲気満点で素晴らしい。





音楽は、ペーター・トーマス。

もともとは、ラウンジ・ミュージック系の人ではないかと思うのですが、

ドイツのTVシリーズ「FBI捜査官ジェリー・コットン」シリーズや「ドラゴン危機一髪」のインターナショナル版のスコアを書いた人でもあります。

本作品は、ホラーというよりもTVの刑事物のスコアのニオイも感じさせる作品で、聴いていてそんなに怖くありません。

むしろ、時折見え隠れするモンドなテイストがカッコいい。

ドラキュラ映画に付き物のパイプオルガンも、軽めの音でイージーリスニングな雰囲気。

ジャーロ風の前衛な雰囲気のスコアもありますが、そんなに怖くない。

サスペンスフルなはずのスコアもどこか軽い感じがするのは、やはりイージーリスニングなノリのせいでしょうか。

サントラは、製作当時は発売されず、2020年になってドイツで、ブルーレイ、DVDCDがセットになった作品が発売になったほか、500枚限定のLP、ダウンロード版が発売されました。