DON'T BREATHE
監督:フェデ・アルバレス
音楽:ロケ・バニョス
出演:ジェーン・レヴィ、ディラン・ミネット、ダニエル・ゾヴァット、スティーヴン・ラング
2016年 アメリカ映画


リメイク版「死霊のはらわた」のフェデ・アルバレス、サム・ライミ、ロケ・バニョス、ジェーン・レヴィが再びタッグを組んで撮ったサスペンス。
ストーリーは、空き巣を繰り返す若い3人の男女が、事故で娘を失い多額の賠償金を得た盲目の老人宅に目をつけ、
老人が在宅中に大胆にも居宅に押し入り、賠償金を奪おうと計画します。
しかし、その老人は屈強な退役軍人で、押し入った3人は想像を絶する恐怖を体験することになる・・・・・というお話。
約90分とコンパクトにまとめられらたサスペンスで、老人宅に押し入ってからの緊迫感とスピード感が半端ない。
空き巣に入っては他人の財産を奪う極悪非道な3人組も相当なものですが、

老人も老人で常軌を逸したサイコな側面を持っているので、
それぞれに感情移入ができず、娘を亡くした老人も気の毒に思えないところが微妙。
そのため、3人組を返り討ちにする老人を観ても、カタルシスはありません。
続編を予感させるラストでしたが、やっぱり「2」が製作されています。
この最強サイコ老人、「2」のあらすじを読む限りではサイコな部分が多少緩和されているのかも知れません。
いずれにしてもまたまた活躍するようです 笑。



音楽は、フェデ・アルバレス監督とのコラボが多いスペインのロケ・バニョス。
シンセによる空間を漂うようなアンビエント風のスコアを始め、口数の少ないシンセスコアが多く、
この空気感はなんだろうと思って考えたところ、ちょうどポストロックなどの音響系に近いものを感じたのでした。
弦楽器をパーカッシブに使って、インダストリアルなハンマー音に重ねる手法がなかなか面白い。
パーカッション類では、この他にゴング系の響きを生かした音が効果的に使用されています。
重低音を利かせたシンセ音も逃げ場のない屋内空間での恐怖を盛り上げます。
たまに、ショッキングな音が入ることがあるので、あまり大音量では聴かない方がよいかも知れません 笑。
音を立てると攻撃されるという設定なので、本編では無音部分も多く、そこをこのスコアが補っているという感じです。
明快なモチーフはないのですが、ユニークな音が交錯する音響工作的な作りのスコアで、
聴いていて飽きさせません。
エンディングではピアノで豪快に演奏されるサスペンス調のメロが出てきます。
サントラは、ダウンロード版とCDが発売されています。