DE SLAG OM DE SCHELDE

監督マシーズ・ヴァン・ヘイニンゲン・Jr

音楽エミリー・レヴィネイズ・ファルーシュ

主演:ヘイス・ブロム、ジェイミー・フラタース、スーザン・ラデル、テオ・バークレム=ビッグス、ヤン・ベイヴート、マルテ・シュナイダー、スコット・リード、ロバート・ネイラー、トム・フェルトン、ロナルド・カルター、ユストゥス・フォン・ドナーニー、クーン・ブリル

2021年 オランダ映画 





第二次世界大戦後期のベルギー・オランダ国境周辺での戦いを背景にしたNetflix配信の戦争ドラマ。

時期としては、「遠すぎた橋」で有名なマーケット・ガーデン作戦が失敗した後の頃で、カナダ軍とドイツ軍が交戦し多くの死傷者を出したスヘルデの戦いが背景になっています。

ストーリーは、ベルギーのアントワープ港につながるスヘルデ川河口において、カナダ軍とドイツ軍が熾烈な戦闘を繰り広げる中、イギリス軍グライダーパイロット、ナチス兵士として戦うオランダ人青年、レジスタンスに協力するオランダ人女性の3人の運命が交錯する・・・というお話。

監督は、「遊星からの物体ファースト・コンタクト」以来10年振りの長編作品となるマシーズ・ヴァン・ヘイニンゲン・Jr

兵器や軍装の考証にはかなり気合が入っていて、T-34M4シャーマン(水平懸架式の足回りしか見えなかったけど、M4A3E8タイプ?)、キューベルワーゲン、M3ハーフトラック、ホルサMk.1?グライダー、各種装甲車などが登場し、ドイツ軍88ミリ砲の水平撃ちまで出てきます。

ヨーロッパの軍事コレクターが協力しているのでしょうか。

比較的ドラマの比重が高い作品ではありますが、戦闘シーンの迫力はかなりのものがあります。

オランダ映画、恐るべし笑笑。



 


音楽は、エミリー・レヴィネイズ・ファルーシュ。

フランス出身の女性ピアニストで、ポストクラシカル系のアーティストです。

戦争映画なので、ミリタリースネアがちょっぴり入ったスコアがあります。

ダークなトーンなので「燃え」ませんが、その代わりにサスペンスフルな緊迫感があります。

全体的に悲しげで暗めのアンダースコアが多いものの、ピアノ、オケ、エレクトロニクスを融合させたスコアは聴きごたえがあります。

戦争映画のスコアにエレクトロニクスという、一見御法度とも思える手法も、「フューリー」以来、違和感なく聴けるようになりました 笑。

モチーフらしきものは、ピアノ、バイオリンが担当していて、スコアの中で時折顔を出す感じです。

サントラは、ダウンロード版しかなく、1764分収録のものが発売されています。