DA UOMO A UOMO
監督:ジュリオ・ペトローニ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:ジョン・フィリップ・ロー、リー・ヴァン・クリーフ、ルイジ・ピスティッリ、アンソニー・ドーソン、ホセ・トーレス、マリオ・ブレガ
1967年 イタリア映画


今夜は後期マカロニ・ウエスタンから、ジョン・フィリップ・ローが主演した1本をご紹介。
ジョン・フィリップ・ローとリー・ヴァン・クリーフという、
親子ほど年の離れた2人が、共通の敵を倒すために協力するマカロニ定番の復讐ものです。
ストーリーは、家族を強盗一味に殺された少年が成長して若きガンマンとなり、
仇を探す旅に出ますが、刑務所を出たばかりの初老のガンマンに出会い、
このガンマンに助けられながら強盗一味を1人また1一人と追い詰めていく・・・・というお話。
リー・ヴァン・クリーフは、謎のガンマンとして行く先々で主人公を助けますが、
何故、主人公を助けるのかが最初は明確にされません。
ユナイト配給の映画は、よく邦題に「ガンマン」と付けられることが多かったようですが、
「夕陽のガンマン」や「続・夕陽のガンマン」とは全く無関係です。
クエンティン・タランティーノは、本作品がお気に入りだったらしく、
「キル・ビル」には、本作品へのオマージュと思われるシーンが登場します。
オリジナルのイタリア版は上映時間が120分あるそうですが、そっちも観てみたいなあ。



音楽は、エンニオ・モリコーネ。
主題歌はなく、テーマ曲は前衛的なフルートが炸裂し混成コーラスがリードを取る硬派な曲。
キャッチーなメロディではないので、知名度が低いのもうなづけます。
リズムパターンは、「復讐のガンマン」系です。
テーマ曲に派手さはないのですが、劇伴は充実しています。
この混成コーラスが劇伴奏で何度も登場し、力強く歌い上げます。
その他にも、低音域のアコギやカスタネットが仁義を切るいつものモリコーネ節をはじめ、
アコギのかき鳴らしをバックに口笛がカッコよく流れるスコアなどが登場します。
さらに、劇伴の途中から気合が入ったラオールの歌が入ってくる変則的な主題歌もあります。
「キル・ビル」でも、本作品のスコアが使われる場面があります。
サントラは、人気があって、過去に何度もCD化されています。
2010年には、伊GDMレーベルから500枚限定で26曲入り73分収録のCDが発売されましたが、
売上が好調だったのか、翌年にはさらに300枚が追加プレスされています。
その後、イタリアでは、2017年にLPが発売され、今年になって伊BEATレーベルから
GDM盤と同内容のものがジャケ違いで再発されています。