THE OUTPOST
監督:ロッド・ルーリー
音楽:ラリー・グルーペ
出演:スコット・イーストウッド、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、オーランド・ブルーム、ジャック・ケシー、コリー・ハードリクト、マイロ・ギブソン、ジェイコブ・スキーピオ、テイラー・ジョン・スミス、ジェームズ・ジャガー、ジョナサン・ヤンガー
2020年 アメリカ映画


米軍がアフガンで経験した最大の激戦の一つと言われる「カムデシュの戦い」を描いた実録戦争映画。    
ストーリーは、2009年のアフガニスタンを舞台に、周囲を険しい山岳に囲まれた前哨基地を守る米軍部隊と、
300名のタリバンが壮絶な戦いを繰り広げる・・・というシンプルなお話。
実録ものということもあってか、現地での激しい戦闘にシフトしてストイックに描かれており、
家族との関係は随所に挿入される衛星電話のシーンで表現されており、

余計な回想シーンなどはありません。
劇中、前哨基地の指揮官である大尉が何度も交代しますが、うち2人は事故と戦闘で早々に亡くなります。
「ブラック・ホーク・ダウン」のコンパクト版という感じですが、

生還して終わりではなく、最後に帰還後のシーンが少しあります。
クリント・イーストウッドの息子とメル・ギブソンの息子が出演していますが、
マイロ・ギブソンの方はあんまり出番が無くてちょっと残念。
スコット・イーストウッドは、声がお父さんに激似な気がしました。
エンド・クレジットでは、戦死した軍人本人の写真や、生還した兵士や士官のインタビューが盛り込まれています。
亡くなった兵士や士官が、まだ20代の人ばかりということに衝撃を受けます。
また、若くして亡くなった監督の息子ハンター・ルーリーに捧げるというクレジットも出てきます。





音楽は、ラリー・グルーペ。
同じロッド・ルーリー監督作品の「ザ・コンテンダー」(2000)や「わらの犬」(2011)などのスコアを手掛けた人です。
スコアは、ダークな雰囲気のアンダースコアがメインですが、控えめながらモチーフもあります。
オケとシンセのハイブリッドスコアで、本編鑑賞後にスコアをよく聴いてみると
思いの外、インダストリアルなシンセ音の比重が大きいことに気づかされます。
激しい戦闘が繰り広げられる本編に比較して、地味で暗めな印象を受けるスコアです。
激しいアクションスコアでは、「ダークナイト」のモチーフによく似た重厚なブラスが出てきます。
もちろん、全編を通じてミリタリーなスコアは一切ありません。
エンド・クレジットで、トム・ハンクスの奥さんリタ・ウィルソンが歌う"Everybody Cries"が心に染みますが、
これもサントラにはちゃんと収録されています。
サントラは、La-La-Landレーベルから限定1000枚のCDが発売されているほか、
ダウンロード版が入手可能です。全17曲43分収録です。
本編を観た人でないと、鑑賞するにはちょっとキツいスコアかも知れませんが、
ジャケがなかなか良いので、ジャケ買いする人もいるのでは?