OXYGEN
監督:アレクサンドル・アジャ
音楽:ROB
出演:メラニー・ロラン、マチュー・アマルリック、マリック・ジディ
2021年 フランス映画


アレクサンドル・アジャ監督によるNetflixプレゼンツのシチュエーションスリラー。
ストーリーは、ある女性が超低温の医療ポッドの中で目を覚ましますが、
彼女は記憶喪失を失っており、自分が誰で、何故ポッドの中にいるのか、
全く思い出せません。しかも、ポッドは重大な故障が生じていてポッドを開くことができません。
しかも、密閉されたポッド内の酸素は段々無くなっていきます。
頼みの綱は、ポッドを管理しているM.I.L.O.というコンピューターだけ。
彼女は、刻一刻と酸素が無くなっていく中で、
M.I.L.O.と対話しながら脱出法を探り始める・・・・というお話。
前半は、メラニー・ロランの一人演技が続きますが、謎解きの要素もあってサスペンスフルでなかなか目が離せません。

棺桶を一回り大きくしたぐらいのサイズしかないポッドの中でお話が展開するので、閉所恐怖症の人は息苦しく感じるかも知れません、
ネタバレになるのでこれ以上は言えませんが、予備知識なしでご覧になることをオススメします。
アレクサンドル・アジャ監督作品といえば、「ピラニア3D」や「ヒルズ・ハブ・アイズ」のような
グロい特殊メイクのホラーを連想してしまいますが、
本作品も一瞬ですがグロい(というよりドッキリか)シーンがあります。
製作総指揮の中に、女優のノオミ・ラパスの名前があります。


音楽は、ROBことロバン・クーデル。
70年代シンセプログレの臭いがするこの人のスコアは、毎回楽しみなのですが、
今回もスペイシーかつ上品なヒーリング系のシンセスコアを提供しています。
女性コーラスとパイプオルガン風のシンセ音で宗教的ともいえる荘厳な音空間を作り出していて、
ヒロインが置かれた空間(ネタバレになるのでこれ以上は言えません)を見事に表現しています。
「チューブラー・ベルズ」の流れを汲む70~80年代ホラーで使われそうなシンセも出てきます。
シャッフルビートのシーケンスパターンがリズムを刻む、
タンジェリン・ドリームあたりを彷彿とさせるスコアもなかなか良い。
この人のスコアは、センチメンタルなメロディラインをもった曲が多く、逆に不気味なアンダースコアは少ないので、アルバム単体としても聴きやすい内容になっています。
サントラは、残念ながらダウンロード版しかないようですが、
おっさんとしては是非CD化して欲しいと思ってます。